授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33974:信号処理(6T) 2024 秋セメスター 木3 理工学部 佐保 賢志 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 205号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 信号処理は、音声や画像、通信や計測で用いられる光や電波など電磁波データ、脳波などの生体信号、及び株価や為替などの経済時系列(これらは全て「信号」と呼ばれる)について、数学的に扱うことで適切に処理解析するための学問である。本講義では特に時系列とも呼ばれる横軸を時間とする信号の処理解析法の習得を目的とし、主にコンピュータで扱うために離散化されたディジタル信号の基本的な処理方法を学ぶ。
 毎回の講義は、板書をベースとする講義+小演習となる。そのため、板書をメモするためのノート等や小演習を解くためのレポート用紙等を準備すること。

受講生の到達目標

(1) アナログ信号とディジタル信号の関係、及びこれらの信号処理の数学的な表現方法の類似点と相違点を説明できる。
(2) ディジタル信号処理を離散時間システムと捉え、代表的な方法(ブロック図、差分方程式、伝達関数、インパルス応答)で簡単なシステムの解析ができる。
(3) 信号の周波数解析の目的と方法について説明でき、周波数解析結果を適切に解釈できる。
(4) ディジタルフィルタの役割と設計方法論を本講義で学んだ概念に基づき説明できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

微分方程式/ラプラス変換の事前履修を強く推奨する。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

ディジタル信号処理の概要と位置付け

ディジタル信号、アナログ信号、A-D変換、サンプリング、フィルタリング、システム同定(教科書1章)

2~4

信号とシステムの数学的表現

離散時間システム、単位インパルス信号、ブロック図、差分方程式、z変換、時間遅延、連続時間システムとラプラス変換、z変換とラプラス変換の関係、逆z変換(教科書2章, 4章、参考書①2章)

5~6

伝達関数に基づく信号処理システムの解析

伝達関数、線形時不変システム、インパルス応答、システムの特性、たたみ込み(教科書3章, 5.1~5.3)

7~10

信号の周波数領域表現とシステムの周波数特性

フーリエ級数、フーリエ変換、離散フーリエ変換、周波数分解能、周波数特性とz変換、振幅特性、位相特性、伝達関数推定、フィルタ (教科書6章, 7.1~7.2, 8.1~8.3、参考書①3章)

11

重要事項の補足: サンプリング定理、システムの安定性

サンプリング周波数、極、零点、安定条件と伝達関数(教科書5.4、7.3)

12~13

ディジタルフィルタの設計と応用

ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドバスフィルタ、FIRフィルタ、IIRフィルタ、雑音除去、微分処理、所望信号抽出 (教科書8.4節、参考書②)

14

総まとめ演習

15

最終確認テストと解説

授業実施形態

全て対面授業とする。

授業外学習の指示

・時間内に終わらなかった小演習はその次の回までに必ず解いておくこと。
・指定していないテキストの演習問題にも取り組むこと。
・Matlab(あるいはPython, Maxima)を用いて講義内容についてプログラミングや数式処理の演習を行うと本講義の理解が深まるので、予復習に用いることを強く推奨する。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

毎回の演習、2回のレポート課題、最終回に実施する確認テストにより評価する。

成績評価方法(備考)

 最終確認テストでは、基礎知識と簡単なシステムの解析・設計について総合的に問い、受講生の到達目標の全ての項目について達成度を評価する。
 レポート課題を2回予定しており、信号処理システムの基礎及び信号処理のプログラム実装を題材として出題し、受講生の到達目標(1)~(3)を中心に達成度を評価する。考察の質、設計・解析手順の明瞭さ、図表や文章のクオリティを評価する。

受講および研究に関するアドバイス

・同じ2回生秋学期配当のフーリエ解析では信号処理理論の土台となる数学を深く学び、通信理論では通信システムにおける信号処理の応用を学ぶ。そのため、信号処理、フーリエ解析、通信理論の3科目を同時に履修することを推奨する。(同時履修が難しい場合も卒業までにすべての科目を履修してほしい)
・レポート課題以外についても、適宜Matlab,Python,Maximaなどを用いたプログラミング・数値処理演習により本講義で学んだ事項の演習を行うと理解が深まる。(特にフーリエ変換による周波数解析とディジタルフィルタ)
・本講義のさらなる深い理解のため、3回生秋学期に制御工学を履修することが望ましい。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ディジタル信号処理入門 太田正哉 コロナ社 978-4-339-00857-9

教科書(使用頻度、その他補足)

毎回の講義で教科書を参照するが、要点は板書及び配布資料でわかるようにする。2回生時点の知識を考慮し、説明する事項の順を教科書と一部変更して講義を進める。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ディジタル信号処理 岩田彰 コロナ社 4-339-00630-0
はじめて学ぶディジタル・フィルタと高速フーリエ変換 三上直樹 CQ出版社 978-4-7898-3088-1

参考書(使用頻度、その他補足)

参考書①(岩田, コロナ社): 教科書はアナログ信号処理に関する記述がほぼ無いため、アナログ信号処理に関するトピックは本参考書を引用する。参考書②(三上, CQ出版社): 本講義最後のトピックであるディジタルフィルタについて詳しく解説されている。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考


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