授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
11325:(芸)博物館情報・メディア論(A) § 11326:博物館情報・メディア論(A) 2022 春セメスター 火3 文学部,映像学部,文学研究科 中村 大 2

キャンパス

衣笠

授業施設

清心館SE203号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 この授業では、博物館における情報の重要性とその活用に関する基礎的知識や留意点を理解し、博物館における情報・メディアの役割と特色を学びます。また、博物館における情報の利活用について、目的や方法、配慮すべき事項を学びます。
 授業は4つのユニットで構成されます。
 ユニット1:情報とメディア(第2回~第4回)では、情報通信技術(ICTs)とウェブサイトの活用、情報やコミュニケーションの定義、情報発信に関連する著作権などについて学びます。みなさんは「情報とは何ですか」と聞かれたときに説明できますか。ここではそうした基本的な定義についても説明します。また、現代の情報社会では著作権への配慮も重要です。
 ユニット2:情報の管理と活用(第5回~第8回)では、アーカイブによる情報の管理と公開の事例やデータベースの基礎について学びます。また、データからアクティブ・ラーニングに役立つ情報を得る方法についても考えます。
 ユニット3:情報と表現メディア(第9回~第12回)では、写真、地図、グラフなどの画像メディアの利活用について学びます。具体的なイメージを表現できる画像メディアは、博物館活動において重要な役割を果たします。それとともに、地理情報システム(GIS)や統計解析ソフトウェアなどデータを解析し画像メディアを作成するための技術について解説し、情報携帯端末や3Dデータの活用の現状と課題についても学びます。
 ユニット4:現代芸術との連携(第12回~第15回)では、考古学と現代芸術、博物館行政の関係について学びます。アート&考古学に関する活動事例を紹介しながらその目的、意義、課題について解説します。この20年間で、とくに縄文時代に対する関心のあり方には大きな変化があり、縄文ルネサンスと呼ぶ研究者もいます。
 授業は講義形式で行います。各ユニットの終了後に内容に対する意見、疑問、提案(単なる感想ではない)をまとめたレポートをmanaba+Rに提出します。そのなかの重要あるいは興味深いことがらについては、内容に合わせ授業内で説明や回答、討論を行います。

受講生の到達目標

(1)博物館における情報とメディアの基礎知識を習得し、利活用について自分の意見を述べることができる。
(2)情報の管理と活用に関する基礎知識を習得し、それらの留意点を説明することができる。
(3)博物館における表現メディアの活用について説明し、自分の意見を述べることができる。
(4)考古学と現代芸術の協働の現状と課題を理解し、自分の意見を述べることができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特にありません。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

博物館の現状、役割の変化、情報・メディアの役割

博物館の現状と課題、役割の変化を俯瞰し、教育普及活動への貢献が重要になってきていることを学びます。それとともに学芸員に求められる情報に関する知識と技術について解説します。メディア授業(ライブ配信)で行います。

第2回

情報とメディア1 情報通信技術(ICTs)とウェブサイト

この約20年間で、ユビキタスからICTs、そしてIoTへと情報社会が掲げる理想像は変化し続けています。情報通信技術(ICTs)を活用する社会に博物館はいかに貢献しうるでか、博物館のウェブサイトについてユニバーサルデザインの視点から解説します。メディア授業(ライブ配信)で行います。

第3回

情報とメディア2 情報とは、コミュニケーションとは何か、なぜ社会に必要なのか

情報とはものごとの関係概念であり、情報がコミュニケーションをつうじて知識になります。コミュニケーションは一方向的な伝達ではなく、人間どうしが情報を表現し合いそれをもとに各人が情報を再構成する過程です。どうして社会には情報やコミュニケーションが必要なのかについて考えてみます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第4回

情報とメディア3 著作権:保護と活用のバランス

情報とメディアのデジタル化が進む現代社会では、著作権にも新たな課題が生じてきています。教育に利用する際の例外規定、肖像権の問題、複製とパブリックドメイン、オープンデータ、CCライセンスなど今後の情報の利活用にかかわる諸問題を解説します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第5回

情報の管理と活用1 デジタルアーカイブと情報の標準化

ジャパンサーチは日本版ヨーロピアナともいうべき文化情報検索のポータルサイトです。一方、アーカイブの構築には情報の標準化という厄介な問題があります。こうした近年のデジタルアーカイブの構築状況とそれに関する諸問題を解説します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第6回

情報の管理と活用2 情報管理の基礎知識:データベース概論

データベースでは、1行のレコードでデータの内容を表現する形式(行持ち形式と仮称)でデータを扱います。一方、展示や図録、ウェブサイトでは一覧表形式でデータを公開することが一般的です。両者の長所と短所を解説するとともにデータ管理の基本用語である正規化、レコード、トランザクションなどについても説明します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第7回

情報の管理と活用3 エンティティとリレーションを理解し、簡便なデータベースを構築

データベース構築に必要なエンティティとリレーションの概念を解説し、VLOOKUP関数を活用した手軽なデータベース構築法を学びます。ピボットテーブルで簡単に集計表も作成できます。可能であれば、操作を実際に体験する機会を設けます。予算の厳しい博物館でコストをかけずにデータ管理をする方法でもあります。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第8回

情報の管理と活用4 アクティブ・ラーニング教材づくり:縄文時代のストーンサークルを例に

せっかく管理しているデータがあるならそれを活用しない手はありません。ここでは遺跡博物館でのアクティブ・ラーニングおける情報活用について考えてみます。情報の活用には統計解析をぜひ使うべきです。データの特徴を明確に提示でき、それを生み出した当時の人びとの考えを推測することができます。データの標準化を用いる手法を紹介します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第9回

情報と表現メディア1 写真画像で縄文土偶の歴史と造形の意味を語る

写真画像は複雑な情報をイメージとしてわかりやすく伝えるメディアです。2012年にMIHO MUSEUMで開催された縄文土偶展をもとに、約1万年間にわたる縄文土偶のデザインの変化を多数の写真画像を用いて解説し、土偶は女性か男性か、土偶は意図的に壊されたのかなど興味深い問題について説明します。質の高い写真メディアの説明力を実感してもらいます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第10回

情報と表現メディア2 地図でみる幕末~明治期の食文化:飛騨、長州と日本

歴史事象は空間的な広がりを有します。斐太後風土記、防長風土注進案、明治十年全國農産表などの史料に記載されている食料生産データを統計解析と地理情報システム(GIS)を用いて地図化し、当時の食文化の地域性をより分かりやすく表現する研究を紹介します。データサイエンスの活用で新たな展示解説を生みだすことができます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第11回

情報と表現メディア3 グラフや図でデータ解析結果を可視化し分類を考える

「分類」は、私たちが日常的に行う思考であり、世界を認識するための重要な手段です。博物館の展示や教育活動で史資料の分類やグループ分けの説明はたくさん行われます。複数の指標を組み合わせ総合的に分類することは困難な作業ですが、統計解析ソフトウェアを使えばより簡単に客観的・論理的に行うことができます。主成分分析、クラスター分析を用いたデータの分類について解説します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第12回

情報と表現メディア4 図表や地図の利用、展示におけるメディアの活用

統計解析の実演とともに、分析結果を散布図や地図に表現し展示や教育普及活動にも利用することを解説します。授業の前半は主成分分析やクラスター分析の解説の続きです。後半は博物館における情報携帯端末、3Dデータ、ジオラマ、ハンズ・オンの利用状況とさまざまな課題について解説します。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第13回

現代芸術との連携1 アートと考古学の協働がめざすもの

アート&考古学は、現代芸術(アート)と考古学(学術)の協働(コラボレーション)により、個人・社会・土地にまつわる記憶をさまざまな方法で再生する作品・展示・イベントを制作・企画する活動です。人びとが過去を深く知り、多様な表現に出会うことで予期せぬ気づきが創発され、それが日常の生き方を見つめ直す契機となることを目指します。いくつかの事例を紹介し、異分野連携による学術情報の新たな活用を考えます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第14回

現代芸術との連携2 語られる文化から生きられる文化へ

映画「縄文にハマる人びと」を鑑賞しながら考古学と現代アートとの連携について考えます。縄文時代の考古学研究から「語られる縄文文化」の内容を充実させ、それを基盤にアート&考古学の活動をつうじていろいろなものごとと接続してみます。現代との関係を作り出すことは新たな文化情報を生みだすことです。そこから「生きられる縄文文化」を生みだし、さまざまな視点から現代と未来について現状を変えるヒントを探す取り組みについて考えてみます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

第15回

現代芸術との連携3 現代社会が発見する新しい縄文時代の価値

考古学、現代芸術、統計解析には共通点があります。それは、「見えているものから見えないものごと、とくに人間と社会について理解しようとする」ことです。博物館における情報とメディアは、こうした人間の想像力を育む3つの活動が融合し、展示や教育普及をつうじてその成果を社会に還元するとき重要な役割を果たします。現代社会における博物館の役割や、情報・メディア概念について改めて考えてみます。登録者数により対面授業かメディア授業(ライブ配信)のいずれかになります。

授業実施形態

【BCPレベル1~2】
(受講登録者数次第)
第1週目、第2週目はメディア授業で実施します。
受講登録者数が教室定員以下の場合は、第3週目から対面授業を実施します。
受講登録者数が教室定員を超えた場合は、第3週目以降もメディア授業を継続します。ただし、グループ分け等の方法により対面授業を実施する場合もあります。
第3週目以降の授業実施形態は、本登録期間終了後にmanaba+Rで通知します。

【BCPレベル3~4】
(メディア授業)
メディア授業で実施します。

授業外学習の指示

 できるだけ多くの博物館のウェブサイトを閲覧し、サイトデザイン、アーカイブの内容、著作権の設定などについて知ることを心がけてください。多様な事例を知ることが、授業内容の理解と意見の形成に役立ちます。また、状況に応じて博物館の展示を見学し、展示における情報とメディアの活用方法の具体例を知ることも重要です。教材に挙げた参考文献をできるだけ多く読みこなすこともすすめます。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

以下の4つのファイル送信レポートにもとづき評価します。各レポートが25点、合計100点です。
レポート1:第2~4回までの内容にもとづくもので、1000字程度。課題説明は第4回授業日にmanaba+Rに掲示し、送信期限は概ね10日後に設定する予定。
レポート2:第5~8回までの内容にもとづくもので、1000字程度。課題説明は第8回授業日にmanaba+Rに掲示し、送信期限は概ね10日後に設定する予定。
レポート3:第9~12回までの内容にもとづくもので、1000字程度。課題説明は第12回授業日にmanaba+Rに掲示し、送信期限は概ね10日後に設定する予定。
レポート4:第13~15回までの内容にもとづくもので、1000字程度。課題説明は第15回授業日にmanaba+Rに掲示し、送信期限は概ね10日後に設定する予定。
評価基準:授業で扱った内容についての意見、疑問、提案(単なる感想ではない)を明確に示し、自分の考えを論理的に記述しているかを評価します。
注意:課題提出やそれに関する諸連絡、質問の受付及び回答、意見交換等について、manaba+Rの「レポート機能」「コースニュース」「掲示板」を用います。また、やむを得ない事情による休講などにより、補講やレポート送信期限の調整が生じる可能性があります。こまめに掲載情報を確認し、ニュースを受信可能にしておくなど各自の自律的対応が必要です。
【BCP レベル3~4に変更となった場合】BCP レベル3~4に変更となった場合でも、成績評価方法は変更しません。

成績評価方法(備考)

レポートでは、授業の内容にもとづき、各自の見解が論理的に記述されているかについて評価を行います。そのため、教材や他の文献の単なる引き写し、あるいは授業に無関係な論述は、いずれも評価の対象としないので注意してくだい。

受講および研究に関するアドバイス

(1)課題提出やそれに関する諸連絡、質問の受付及び回答、意見交換等について、manaba+Rの「レポート機能」「コースニュース」「掲示板」を用います。また、やむを得ない事情による休講などにより、補講やレポート送信期限の調整が生じる可能性があります。こまめに掲載情報を確認し、ニュースを受信可能にしておくなど各自の自律的対応が必要です。
(2)講義で紹介する統計解析ソフトウェアは無料で研究・教育に広く応用できるものであり、インストールし実際に体験してみることを勧めます。統計解析は習うより慣れろで上達します。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特定の教科書は使用せず、配布資料を用意する。manaba+Rのコンテンツに記載したリンク先からダウンロードする方式をとる。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
博物館情報・メディア論*博物館経営論 大堀哲, 水嶋英治編著 学文社 9784762022869
博物館情報・メディア論 西岡貞一, 篠田謙一編著 放送大学教育振興会 9784595314124
新しい博物館学 全国大学博物館学講座協議会西日本部会編 芙蓉書房出版 9784829504161
入門はじめての多変量解析 石村貞夫, 石村光資郎 東京図書 9784489020001
Rによるデータサイエンス : データ解析の基礎から最新手法まで 金明哲 森北出版 9784627096011
博物館情報・メディア論 日本教育メディア学会 ぎょうせい 9784324095843
土偶・コスモス MIHO MUSEUM編 羽鳥書店 9784904702376
アートと考古学展 : 物の声を、土の声を聴け 京都文化博物館編 京都文化博物館

参考書(使用頻度、その他補足)

特定の教科書は使用せず、配布資料を用意する。上記の書籍は予復習に役立つ書籍として挙げている。必ずしも購入の必要はないが、博物館・教育機関・研究機関への就職を希望する学生は、自分が今後も長く使用すると判断した書籍があれば、各自で購入を検討してほしい。また統計解析の自主学習に役立つ書籍も挙げている。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html