| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科 | 全担当教員 | 単位数 |
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| 14297:[2025 春セメスター]刑法Ⅰ(総論)(JA) | 2025 | 春セメスター | 火1,水2 | 法学部 | 安達 光治 | 4 |
キャンパス
授業施設
授業で利用する言語
授業の概要と方法
本講義は、対面授業の方法により実施します。
講義の進め方は、次の通りです。
①各章で取り上げられる事項について、最初に「スタートアップ・クイズ」で整理します。
②スタートアップ・クイズで示された事項に即して、レジュメに沿って解説を進めます。
③重要論点については、論述の方法についても解説を行うことがあります。
授業内容に関する質問は、manaba+Rの掲示板で随時受け付け、原則としてmanaba+Rにて回答します。
成績評価の対象となる小テストなどの課題については、解説のレジュメをmanaba+Rで公開します。定期試験については、採点講評を公開します。
受講生の到達目標
2.犯罪の成立要件(行為、構成要件該当性、違法性、有責性)の理論構造を分析し、それらの関係性を理解できるようになる。
3.学説の対立状況や判例の趣旨・射程範囲を学習し、理解するとともに、事例問題等の応用問題に対応できるようになる。
事前に履修しておくことが望まれる科目
授業スケジュール
| 授業回数/ 担当教員(複数担当の場合) |
テーマ |
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| キーワード・文献・補足事項等 | |
| 1 | 開講にあたって、刑事法への誘い |
講義の進め方、成績評価方法、授業計画等についてガイダンスします。【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照
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| 2 | 刑法の基本原則、刑罰理論 |
罪刑法定主義、行為原理、責任原理といった刑法の基本原則と、応報および予防という刑罰に関する理論を学習します。 |
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| 3 | 罪刑法法定主義 |
罪刑法定主義は、刑法の基本原則の中でも特に重要です。刑罰が国家による不当な人権侵害とならないように、刑罰を科すことができる要件を、行為が行われる前から法律で定めておかねばならないのです。このような罪刑法定主義の意味・歴史、遡及処罰の禁止、類推の禁止、実体的デュープロセスなどの派生原則について学習します。 |
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| 4 | 刑法の適用範囲、犯罪の理論 |
日本の刑法の規定がどの範囲で適用できるのかを、刑法1条から6条までの規定をもとに解説します。適用範囲については、場所的適用範囲、時間的適用範囲、人的適用範囲などが考えられますが、講義では、場所的適用範囲が中心となります。
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| 5 | 因果関係と客観的帰属①(因果関係の基礎、条件関係論) |
因果関係の果たす役割について説明し、それを踏まえ、「あれなければこれなし」という条件公式の意味について、仮定的因果経過や択一的競合に関する具体例をもとに考えます。 |
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| 6 | 因果関係と客観的帰属②(相当因果関係論) |
条件関係の内容を踏まえ、条件説には、理論的に問題があることを学びます。その解決として、相当因果関係説の内容を説明します。相当因果関係説が単一の学説ではなく、相当性の判断資料や判断基準に関して、主観説、折衷説、客観説の対立があることを理解します。 |
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| 7 | 因果関係と客観的帰属③(相当因果関係説の意義、危険の現実化、客観的帰属論) |
相当因果関係説が通説とされてきましたが、最近の判例は、危険の現実化という理論枠組みを採用するとされ、これを支持する学説も有力です。両者の異同について解説し、これとの関連で、ドイツの通説である「客観的帰属論」の意味について簡単に説明します。 |
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| 8 | 不作為①(不作為の基礎、不真正不作為犯の処罰根拠) |
不作為犯には、真正不作為犯と不真正不作為犯があることを学びます。その後、不真正不作為犯に焦点をあて、不作為を処罰する明文の規定がないのに、なぜ不作為を処罰できるのかについて検討します。その上で、現在の通説的見解である「保障人説」について説明します。 |
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| 9 | 不作為②(不作為犯論の展開) |
不作為犯の前提として、誰に対しどのような場合に作為義務が課されるのかを学びます。さらに、作為義務違反と法益侵害結果の発生との間の因果関係について検討します。最後に、各論的問題として、不作為が問題となる犯罪について個別に解説します。 |
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| 10 | 故意概念と未必の故意 |
「罪を犯す意思」(刑法38条)の意味について学びます。故意の本質について、認識説と意思説の考え方を理解します。故意には、通常の確定的故意のほかに、未必の故意を含む不確定的故意もあることを学びます。未必の故意につき、認容説、蓋然性説、動機説の検討を通して、その本質を理解します。 |
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| 11 | 錯誤①(錯誤の意義、具体的事実の錯誤) |
錯誤とは、現実と行為者の認識が食い違うことです。錯誤は事実の錯誤と違法性の錯誤に大きく分かれます。事実の錯誤は、構成要件を基準に具体的事実の錯誤と抽象的事実の錯誤に分かれます。ここでは、以上のような錯誤論の概要および学説と、具体的事実の錯誤について解説します。 |
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| 12 | 錯誤②(抽象的事実の錯誤、違法性の錯誤) |
前回の講義を受けて、行為者の認識した内容と客観的な事実が異なる構成要件にまたがる抽象的事実の錯誤の法的処理、および違法性の錯誤に関連して、「違法性の意識」という概念と、事実の錯誤と違法性の錯誤の限界づけの問題を中心に解説します。 |
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| 13 | 過失 |
故意犯の処罰が原則であり、過失犯の処罰は、生命や身体など重大な法益を侵害する犯罪に限られます。過失は、注意義務違反として定義されますが、これにつき、結果予見義務と結果回避義務のいずれを重視するかという過失犯の構造論を中心に学びます。併せて、許された危険や信頼の原則という過失犯の限定法理を取り上げます。 |
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| 14 | 違法性の基礎 |
違法論では、正当防衛や緊急避難のような、違法性阻却事由に関する理論を主に扱うのですが、その前提として、違法性阻却を理解するのに必要な違法性の概念について理解します。そのうえで、可罰的違法性の概念や位置づけについて検討します。 |
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| 15 | 被害者の同意 |
自己の法益侵害に被害者が同意している場合、犯罪の成立が認められないことがあります。それはいかなる理論的根拠によるのかを、行為無価値論と結果無価値論の対立を踏まえながら検討します。さらに、医師による治療行為が処罰されない理由や、安楽死、尊厳死の問題についても考えます。 |
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| 16 | 正当防衛(正当防衛の基礎、客観的要件・主観的要件) |
正当防衛が正当化される根拠について、法確証という考え方と個人の自己保存という考え方が対立します。これらの意味について解説し、そのうえで、侵害の急迫性、不正性、防衛行為性、防衛行為の必要性・相当性という正当防衛の客観的要件について説明します。それに加え、正当防衛の主観的要件として、防衛の意思が必要かという論点があります。判例が防衛の意思に言及する意味について解説したうえで、その必要・不要について検討します。関連して、自招侵害など、正当防衛の制限が問題となる場合について解説します。 |
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| 17 | 過剰防衛、誤想防衛・誤想過剰防衛 |
急迫不正の侵害に対する防衛が「やむを得ない」とされる限度を超えた場合、過剰防衛として、裁判官の裁量で刑が減免されます。過剰防衛の刑の減免根拠をめぐっては、違法減少説と責任減少説が対立しますが、その意味について、量的過剰防衛と誤想過剰防衛の問題を中心に検討します。後者の前提として、誤想防衛についても学びます。 |
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| 18 | 緊急避難①(不処罰の根拠、成立要件) |
緊急避難は、「カルネアデスの板」の事例のように、自分の法益を守るために、落ち度のない他人の法益を犠牲にすることです。緊急避難の不処罰の根拠について違法性阻却説、責任阻却説、二分説の意味について理解し、危難の現在性、避難行為の必要性、補充性、害の均衡といった成立要件の内容を学びます。 |
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緊急避難②(緊急避難の制限、誤想避難・誤想過剰避難、その他の違法性阻却事由)
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緊急避難は、第三者の正当な利益を侵害するものですから、安易に認めるわけにはいきません。緊急避難の解釈論上の制限として、強制による緊急避難と自招危難を取り上げ、また、制定法上の制限として、37条2項の特別義務者の緊急避難について説明します。さらに、義務衝突など、刑法に明文のない違法性阻却事由について解説します。この回では、ある程度学習が進んできたことを受け、刑法総論における論述の方法について解説します。【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照 |
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| 20 | 責任の基礎 |
責任の実質については、適法な他行為の可能性があったにもかかわらず、犯罪行為に出たことへの非難とする立場と、自らを犯罪行為へと条件づけた性格や環境を改善すべき社会的責任とする立場の対立があります。これは意思の自由や刑罰の本質ともかかわります。このような責任概念や責任の理論的根拠について学びます。 |
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| 21 | 責任能力、原因において自由な行為 |
心神喪失者や刑事未成年者の行為は、責任能力を欠くものとして処罰されません。こうした責任能力の概念や意義について解説し、さらに、「原因において自由な行為」の問題として、自ら精神障害を招いて犯罪行為を行った場合について、理論的な解決を検討します。 |
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| 22 | 未遂①(未遂犯論の基礎、実行の着手) |
未遂は、犯罪行為の実行に着手したけれども、意図した結果が発生しなかった場合です。未遂の処罰根拠については、現在では、行為の危険性を根拠とする立場が優勢です。これを踏まえ、「実行の着手」について、判例の立場を踏まえながら、主観説、形式的客観説、実質的客観説などの学説を検討します。 |
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| 23 | 未遂②(不能犯、中止犯) |
行為に結果発生の危険性がない場合、不能犯として、行為者が意図した犯罪では処罰されません。不能犯と未遂犯の区別につき、主体の不能、客体の不能、方法の不能という類型とともに解説します。また、実行に着手した後、行為者が自分の意思で犯罪を止めた場合である中止犯につき、刑の減免根拠や、任意性および中止行為の要件を学びます。 |
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| 24 | 共犯①(共犯の基礎、正犯と共犯の関係・区別基準) |
刑法総則では、共犯の類型として共同正犯、教唆犯、幇助犯が規定されています。このうち、共同正犯は、正犯としての側面を有します。これに対し、教唆犯、幇助犯は、本来の意味の共犯ということで狭義の共犯と呼ばれます。こうした共犯論の基礎から出発し、正犯と狭義の共犯との関係や両者の区別基準について学びます。 |
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| 25 | 共犯②(共犯の本質、共同正犯の問題) |
共犯とは何を共同しているのか(特定の犯罪行為か、客観的な事実としての行為か)という共犯の本質論について、片面的共犯、共犯の過剰、過失の共犯などの論点を検討しながら解説します。さらに、共謀共同正犯、承継的共同正犯にかかわる最近の判例をめぐる議論についても検討していきます。 |
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| 26 | 共犯③(共犯の処罰根拠、共犯の従属性) |
共犯の処罰根拠については、正犯への従属性を重視する立場と、共犯自身が法益を侵害したものと考える立場(惹起説)が基本的に対立します。共犯の処罰根拠と従属性の議論は、連動する関係にありますので、このことを必要的共犯や身分犯の共犯などの個別問題と絡めて解説します。 |
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| 27 | 共犯④(共犯の諸問題) |
教唆犯と未遂、中立的行為による共犯、共犯の中止と共犯関係の解消(共犯からの離脱)、共犯の錯誤といった共犯論の個別論点について検討していきます。 |
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| 28 | 罪数 |
罪数は文字通り犯罪の数のことで、一罪と数罪に分かれます。犯罪の成立上一罪とされるのは法条競合と包括一罪と呼ばれる場合です。数罪には、科刑上一罪とされる観念的競合と牽連犯、法律上特別な扱いを受ける併合罪、純粋に複数の犯罪として扱う単純数罪があります。これらの罪数の総論を学び、刑法各論の学習につなげます。 |
授業実施形態
授業外学習の指示
②復習として、スタートアップ・クイズの解答を各自で作成してください。各章のレジュメの末尾に掲載される「まとめ」は、原則的に解答例として活用できるようにしてあります。復習については、たとえば、200字程度でなどと自分で指定をして文章として書いてみると、論述の練習にもなります。
③授業の進度に応じて、論述のための復習問題を提示し、文書ないしは授業内で適宜解説を行いますので、論述についても自習を進めてください。
成績評価方法
| 種別 | 割合(%) | 評価基準等 |
|---|---|---|
| 定期試験(筆記) | 80 | 上記「受講生の到達目標」に即して出題、採点します。 |
| レポート試験 (統一締切日を締切とするレポート) |
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| 上記以外の試験・レポート、平常点評価 (日常的な授業における取組状況の評価) |
20 | 複数回の小課題(小テスト)によって評価します。詳細は、初回授業の「ガイダンス」で説明します。 |
成績評価方法(備考)
受講および研究に関するアドバイス
教科書
| 書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ハイブリッド刑法総論〔第3版〕 | 松宮孝明(編) | 法律文化社 | 978-4-589-04073-2 |
教科書(使用頻度、その他補足)
参考書
| 書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 刑法判例百選Ⅰ(総論)〔第8版〕 | 佐伯仁志・橋爪隆(編) | 有斐閣 | 978-4641115507 |
参考書(使用頻度、その他補足)
参考になるwwwページ
(学外もから判例や司法統計を検索できます)
授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法
備考
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/