授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
30541:[2025 春セメスター](教)教育相談の理論と方法(G1) 2025 春セメスター 月2 経済学部,理工学部,生命科学部,スポーツ健康科学部,経済学研究科,理工学研究科,スポーツ健康科学研究科,生命科学研究科 大橋 一弘 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 107号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 教育相談は、生徒が自己理解を深めたり、好ましい人間関係を築いたりしながら、集団の中で適応的に生活する力を育み、個性の伸長や人格の成長を支援する教育活動である。
 本講義では、カウンセリング心理学、学校心理学、臨床心理学スクールソーシャルワーク等の知見を生かしながら、生徒の発達の状況に即しつつ、個々の心理的特質や教育的課題を適切に捉え、支援するために必要な基礎的知識を身に付ける。そして、教師、保護者、地域の人々、専門家の連携、協働、連関によって子どもの成長を願い育み、指導・援助していく日常的な学校教育活動やいじめ、不登校、虐待など、スクールカウンセラーとの連携、校内、専門機関とのチーム援助活動の実際例を通して、学校における教育相談活動について理解する。
 さて、「心理臨床」とは何だろうか。それは「復旧」へ向けての「治療」ではあり得ない。治療とは何か、病とは何か、障がいとは何か、それを考えるためには、我々の認識そのものの構造を問う必要がある。その作業の上で、人が悩み変容してゆくとはどういうことか、そして、それに対する援助はどのようなものがあり得るかについて、人と人とがともにいる場に対する理解や人の内的なありかたに対する理解をベースとして、考察を深めることも目的とする。
 授業時に疑問に思ったこと、気になったこと等を、毎回配布するコミュニケーションペーパーで提出いただき、次回授業時冒頭で、主立ったペーパーを取り上げてコメントしてゆく。これも講義の一環である。

受講生の到達目標

心理的援助について、臨床の知、という視点から説明することができる。
臨床の知、科学の知、等の概念の論理的な関係性を説明することができる。
こころの諸問題についての基本問題や概念を説明することができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特になし。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

イントロダクション〜「長谷寺」としての臨床場面
〜ある事例をもとに学ぶ。

 臨床的関わりとはどんなものだろうか。
場の主体性。「ひとのこころはわからない」こと。
「医学的」治療モデルと、臨床的な関わり。あきらめ、明らめ、諦め 主体性の座を巡って。マニュアルはないと知りつつマニュアル的に関わってしまう過ちについて。
【20分の 「+R 授業」があります。詳細は manaba+R を参照】

2,3

心理療法(サイコセラピー)・カウンセリング・ソーシャルワーク
カウンセリングの一般的な手続き

インテークで為すべきこと。面接の枠組みの重要性。心理アセスメントについて。検査の持つ「暴力性」について。秘密の保持について。面接場面での言葉について。

4,5

疾病論

そもそも病とは何か。異常とは何か。分けることそのものにまつわる問題について。
古典的な診断分類と、操作的な診断分類(DSM)。
神経症圏の問題。
精神病圏の問題と人格障がいについて。

5,6,7

発達論

子どもの発達と共鳴性について。現代の子育てにおける困難。
知的障がい、発達障がい、療育。
「生得的特性 × 養育・教育環境 × 年齢」としての現在のその子の姿。
知的障がいとは何か。発達障がいとは何か。
適応への努力としての「問題行動」。
二次障がいを避けるために、いま考えるべきこと。

8,9

イニシエーションとは何か

人生の段階を区切り、次なる段階に「意味」をもたらす作業としてのイニシエーションについて。
イニシエーションの具体像〜映画「さなぎ」を題材に
イニシエーションの過程としての苦悩、病、不登校。 

10,11

映画作品に見るイニシエーション

映画「千と千尋の神隠し」にみるイニシエーションの過程。境界を越える。こちらの合理性の世界からの離脱。あちらにはあちらの論理。「眼が開いた」存在としての人間。そして、悲しみを政り、祀り、祭ること。 

12

映画「さなぎ」を巡る議論を深める

映画「さなぎ」の監督さんは、いかなる態度ゆえにこの作品を撮ることができたのだろう。人は墓を建てる、喪の作業。成長の過程で理不尽を飲み込まざるをえないこと。病は人間の存在可能性の一様態である。なぜ監督さんはこれを撮れたのか;答えを求めない。わからなさに耐えること。治療者がクライエントの話をsymptomとしてではなく、my personal experienceとして聴いてくれたこと。

13

「臨床の知」と「科学の知」:中村雄二郎「臨床の知とは何か」を手掛かりに

技術とはなにか。whyの問いとhowの問い。人は物語を生きる。臨床の知と科学の知。「なおる」とはどういうことだろう。病の意味論。「意味」を持ってうけ取られないと「病」となること。科学の知とは何か、詳論。科学の知が捨て去ったものは何だろう?。学問=科学という誤解。臨床の知とは何か、詳論。cosomology,peformance,symbolismが、キーワード。

14

禅の「教科書」である「十牛図」を巡って

禅とは何か。十牛図とは何か。
禅の過程に見る人間の苦悩と成熟の過程について。
自我と自己。投影性同一視、投影を引き戻し、他者と出会うこと。他者との関わりにおける自我的成長、等を巡って。

以上はあくまで目安である。コミュニケーションペーパーへのフィードバックやそこから派生する議論などを含め、内容に変動の可能性はありうる。

授業実施形態

対面授業を基本とします。
対面以外の実施形態をとる場合は、適宜指示します。

授業外学習の指示

授業後に、授業内で提示した参考図書等を読むことで理解は深まりますので、意欲的に読書をしてください。
また、授業時に疑問に思ったこと、気になったこと等を、毎回配布するコミュニケーションペーパーに書いて、私に知らせてください。そして、次回授業まで是非考え続けてください。次回授業時冒頭で、ペーパーを取り上げて、私の意見をお返しすることもあります。また、取り上げられなかった場合でも、次回授業を踏まえてまだ疑問であった場合など、その次のペーパーに記してください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

30%:平常点評価
毎回講義後にコミュニケーションペーパーに感想文を提出してもらう。コミュニケーションペーパーの内容は、次回授業に時に反映されるとともに、諸君の講義への自主的な聴講の様子を推し量る資料としても取り扱う。講義内容への疑問や問いかけ等が負の評価となるわけでは無論ない。むしろ、授業に対する積極的な関心の反映として受け止めたい。自主的、かつ熱心な聴講を期待する。
70%:期末レポート
講義内容を踏まえての、自由記述小論文。論題を自身で設定して論ずる。講義内容を踏まえているか、個別の経験などを題材にしているだけでなく、それを普遍的な問題として論じようとしているかどうか、等を評価の基準とする。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
治療文化論 中井久夫 岩波書店 4006000529
看護のための精神医学 中井久夫 医学書院 4260333259
子どものための精神医学 滝川一廣 医学書院 426003037X
臨床の知とは何か 中村雄二郎 岩波新書 400430203x
子どものこころに出会うとき 村瀬嘉代子 金剛出版 4772418008

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/