授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15892:[2025 春セメスター]スポーツ政策論(S) 2025 春セメスター 水1 産業社会学部 金子 史弥 2

キャンパス

衣笠

授業施設

以学館IG303号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 日本では、2011年に制定されたスポーツ基本法のもと、「スポーツ基本計画」が策定され、これに基づいて様々な施策が展開されている。また、2015年には、スポーツ行政の総合的な推進を図るために、スポーツ庁が設立された。一方で、今日のスポーツ政策では、「競技力向上」や「地域スポーツの推進」といった「スポーツの振興(development of sport)」だけでなく、「健康促進」、「地域活性化(地方創生)」、「社会的包摂(社会統合)」など様々な社会課題の解決(=「スポーツを通じた開発(development through sport)」)も目指されている。
 本講義では、1)日本におけるスポーツ政策の変遷について概観する、2)国・地方自治体のスポーツ行政や個別の政策領域(競技力向上、地域スポーツ、学校部活動、スポーツ産業など)における現状と課題について把握する、3)諸外国のスポーツ政策の動向について理解する、ことを試みる。この作業を通じて、日本のスポーツ政策の特徴や構造、現代的課題について考えるとともに、現代社会におけるスポーツの位置およびその文化的特徴について考察してみたい。
 授業は原則対面授業の形で行い、講義を中心とする。毎回の授業の終了時に、manaba+Rを用いて小レポートの提出を求める。小レポートには授業内で示した設問に対する回答および授業に対する感想、質問を記入する。それらのうちの特徴的なものについては、次回の授業の冒頭で取り上げ、紹介するとともに補足的な説明を行う。期末レポート課題については、後日manaba+Rで講評を行う予定である。

キーワード:スポーツ政策、スポーツ行政、「スポーツの振興」、「スポーツを通じた開発」

受講生の到達目標

 本講義の目標は、受講者が、1)日本のスポーツ政策の変遷について理解する、2)諸外国のスポーツ政策との比較を交えつつ、日本(国、地方自治体)のスポーツ政策をめぐる現代的課題について論じることができる、3)スポーツが今日直面する様々な課題について「批判的に考える」という姿勢を身につける、ことである。以上の目標を達成していく中で、スポーツが歴史や政治、経済、社会的状況の影響を受けて成立している文化であることを認識してほしい。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 スポーツ社会専攻以外の学生を含め、予備知識がなくとも受講可能である。ただし、講義の内容をより深く理解したい場合には、「スポーツの歴史と発展」、「スポーツと現代社会」、「スポーツ行政論」などをあわせて受講することが望まれる。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回          <対面授業>

イントロダクション:スポーツ政策をめぐる諸概念・法・制度

スポーツ政策、スポーツ基本法、スポーツ基本計画、スポーツ庁、
アクター、政策形成過程
【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照

第2回          <対面授業>

国のスポーツ行政とスポーツ振興政策

文部科学省、スポーツ庁、日本スポーツ振興センター(JSC)、
日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ協会(JSPO)

第3回          <対面授業>

地方のスポーツ行政とスポーツ振興政策

教育委員会、首長部局、地方スポーツ推進計画、
スポーツ推進委員、社会教育主事

第4回          <対面授業>

日本のスポーツ政策の変遷①:
戦前のスポーツ政策

文部省、厚生省、内務省、大日本体育協会、
体力章検定、明治神宮体育大会

第5回          <対面授業>

日本のスポーツ政策の変遷②:
スポーツ振興法のもとでのスポーツ政策の展開

スポーツ振興法、保健体育審議会、スポーツ振興基本計画、
総合型地域スポーツクラブ、スポーツ振興くじ(toto)

第6回          <対面授業>

日本のスポーツ政策の変遷③:
スポーツ基本法の制定とスポーツ基本計画

スポーツ立国戦略、スポーツ基本法、スポーツ基本計画

第7回          <対面授業>

日本における競技力向上政策の変遷

1964年東京オリンピック、日本オリンピック委員会、
日本スポーツ振興センター、ハイパフォーマンススポーツセンター

第8回          <対面授業>

日本における地域スポーツ政策の変遷

社会教育法、社会体育、コミュニティスポーツ、生涯スポーツ、
総合型地域スポーツクラブ

第9回          <対面授業>

日本における学校部活動政策の変遷

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン、
学校部活動の地域移行

第10回          <対面授業>

日本におけるスポーツ産業政策の変遷/スポーツと地方創生

スポーツビジョン21、スポーツ未来開拓会議、
公共スポーツ施設の民営化、スタジアム・アリーナ改革、
地域スポーツコミッション、スポーツツーリズム

第11回          <対面授業>

諸外国のスポーツ政策①

福祉レジーム、スポーツレジーム、
政策学習、政策移転、収斂、多様性

第12回          <対面授業>

諸外国のスポーツ政策②

福祉レジーム、スポーツレジーム、
政策学習、政策移転、収斂、多様性

第13回          <対面授業>

スポーツ政策をめぐる現代的課題①

持続可能な開発目標(SDGs)、スポーツ・インテグリティ

第14回          <対面授業>

スポーツ政策をめぐる現代的課題②/講義のまとめ

政策評価、エビデンスに基づく政策立案(EBPM)、
スポーツ政策、スポーツ庁、スポーツ基本計画

授業実施形態

第1~14回対面で実施する。
【+R授業】は第1回授業で実施します。詳細については、manaba+Rにて周知します。

授業外学習の指示

 講義のレジュメやノートを見直し、また、適宜講義中に紹介した参考文献に当たるなどして、本講義の内容について定期的に復習すること。
 また、本講義と関連して、日頃からスポーツに関する新聞記事や雑誌に目を通したり、ニュース番組やドキュメンタリー番組を観ることが望まれる。その際、スポーツ競技の結果やアスリートの人物像・人生に焦点を当てたものを読む(観る)ことも重要であるが、できれば日本や海外のスポーツ政策をめぐる動向や課題について描いたものをより積極的に読む(観る)ことを心掛けてほしい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

①毎回の小レポートの提出(全14回、30%)。設問に対する回答および講義に関する感想、質問などを記入する。9回以上提出していない場合は、評価の対象から外す(自動的にF評価となる)。
②授業内での期末レポートの提出(70%)。期末レポートは、1)講義の内容を適切に理解しているか、2)自学自習を通じて、講義の内容を発展的に理解できているか、3)講義の内容を踏まえて、自分なりの問題意識を提示できているか、以上3点に基づいて評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 本講義では、ただ知識を獲得するだけでなく、自らの問題意識を養うことを受講者に求める。そのためには、第1に日頃からスポーツを「当たり前」のものとしてみるのではなく、「批判的」にみることを意識してほしい。第2に、スポーツを「スポーツ」という視点からのみ考えるのではなく、歴史や政治、経済といった様々な視点と関連づけて考えようとすることが重要である。第3に、講義に主体的に参加する(積極的にメモを取る、気になった点は質問する、参考文献を読む)ことを心掛けてほしい。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に使用しない。講義ごとにレジュメや資料を配付し、それに基づきながら講義を進める。配布物はファイルやバインダーなどを用いて大切に保管すること。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
スポーツ政策論 菊幸一・齋藤健司・真山達志・横山勝彦編 成文堂 978-4-7923-8067-0 スポーツ政策をめぐる諸概念に関連して
詳解 スポーツ基本法 日本スポーツ法学会編 成文堂 978-4-7923-8068-7 スポーツ基本法についての理解を深めるために
公共政策の中のスポーツ 日本体育・スポーツ政策学会監修、真山達志・成瀬和弥編 晃洋書房 978-4-7710-3501-0 スポーツ政策と他の政策領域との関係性についての理解を深めるために
地方におけるスポーツ価値実現の実像 日本体育・スポーツ政策学会監修、真山達志・成瀬和弥編 晃洋書房 978-4-7710-3716-8 地方自治体のスポーツ政策についての理解を深めるために
スポーツ政策の現代的課題 諏訪伸夫 日本評論社 978-4-5355-8514-0 日本/諸外国のスポーツ政策についての理解を深めるために

参考書(使用頻度、その他補足)

※その他の参考文献については、講義内で紹介する。

参考になるwwwページ

・スポーツ庁ウェブサイト(https://www.mext.go.jp/sports/)
・日本オリンピック委員会(JOC)ウェブサイト(https://www.joc.or.jp/)
・日本スポーツ協会(JSPO)ウェブサイト(https://www.japan-sports.or.jp/)
・笹川スポーツ財団(SSF)ウェブサイト(https://www.ssf.or.jp/index.html)

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/