授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
14704:東洋史特殊講義(LC) 2019 秋セメスター 月3 文学部 松本 保宣 2

キャンパス

衣笠

授業施設

洋洋館YY306号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

テーマ:唐王朝の政治制度ー都城・宮城と聴政ー
 800年あまり続いた唐王朝は、8世紀中葉の安史の乱を境に、前期と後期に分けられ、政治・経済・社会などあらゆる分野で変容する。のみならず、唐王朝の変質は2000年に及ぶ帝政中国の画期でもある。
 本講義では、こうした「唐宋変革」の一端として唐王朝の政治制度のうち、皇帝が直接政治を指導する「聴政」の問題について論じる。また、その舞台となった宮城と首都長安・洛陽について概説する。
 周知の如く、唐王朝の都城制・官僚制はその一部が、古代日本に導入されたが、中華帝国と大和朝廷では、その統治のあり方の根幹が異なっていた。その焦点が皇帝制度である。上述の問題を解明することにより、東アジアの文明の相違点が明確になる。

受講生の到達目標

1.唐王朝の政治制度を理解することにより、中国史の重要な研究分野である政治制度に対する知見を獲得する。
2.中国皇帝政治の典型例である唐代の政治システムを理解することにより、中華帝国の支配に対する知見を獲得する。
3.日本古代史と関連する中国王朝の諸制度について理解し、東アジアの文明に対する理解を深める。

事前に履修しておくことが望まれる科目

東洋史概説Ⅱ
 中国史に関する知識を習得するため、概説科目はⅠ~Ⅳまで受講することが望ましいが、特に唐代史を扱うⅣを受講されたい。
 

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

中国史について

帝政中国の特質 時代区分論 唐王朝の位置付け

2

唐代官制史

三省六部 宰相制度 使職

3

唐代文書制度史

公文書主義 上奏と詔勅 官僚の任命

4

中国中世の都城

多民族国家の都城 住民管理 軍事と政治

5

長安と洛陽

隋唐統一帝国の首都・陪都 象徴性と機能

6

唐代後半期の政治史

藩鎮と中央集権 禁軍 財政国家 科挙 宦官 党争

7

唐代の宮城の構造

大明宮 宮城と禁軍 三朝制と朝会儀礼

8

文書制度と宮城

上奏文の審査 側門 客省

9

宮城と直訴

朝堂 匭函 閤門

10

唐代聴政制度(1):唐代前半期の聴政

対仗奏事 仗下奏事

11

唐代聴政制度(2):唐代後半期の聴政

延英殿 待制官

12

皇帝と聴政(1):文宗皇帝の場合

甘露の変 起居官 宦官

13

皇帝と聴政(2):宣宗皇帝の場合

中謝 宦官 枢密使

14

唐代朝儀の構造:入閤とはなにか

再び三朝制度 常朝の変容

15

まとめ

政策決定と儀礼から見る唐代皇帝権力

授業実施形態

授業外学習の指示

概説書などで、中国史及び唐代史の知識を深めることが必須。
事典をひいてもよい。ただし、wikipediaは、検証されていない記事が多いので、取り扱いに注意。他の、執筆者の署名入り記事を載せる事典で、確認する姿勢が必要。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
100

 受講生の到達目標(1)(2)(3)に対応して、授業で扱ったいくつかのテーマから受講者の関心に基づいてひとつのテーマを選び、それについての考えを問う。論理的説得力をもって記述されているかを評価する。

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
0

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

受講生の質問には、出来るだけ答えていきます。manaba+Rなどで、積極的に質問してください。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
唐王朝の宮城と御前会議―唐代聴政制度の展開 松本保宣 晃洋書房 4771017719

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考