授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
30510:外国史Ⅰ(E) § 30511:(教)外国史Ⅰ(E) 2022 春セメスター 水3 経済学部 谷 秀樹 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 104号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 本講義は講義形式で行い(詳細は下欄の「授業実施形態」参照)、中国における前近代帝国から近代国民国家への移行過程を検討対象とする。具体的には、まず17世紀半ばの清帝国の成立時期から説き起こし、完成期における前近代中華帝国の実相について概説する。ついでアヘン戦争以後に次第に中国が近代西欧国際体制に組み込まれていく過程について詳述し、辛亥革命以降の中国革命の展開過程、及び中華人民共和国の建国から現在の習近平体制に至る経緯について議論を進める。
 前近代を過去のものとして現代と切り離して疎外視するのではなく、今日の中国国家が抱える構造的欠陥の淵源という観点から捉え直していくことを狙いとする。

 なお、manaba+R上で提出する課題定期レポート(中間レポート1回及び期末レポート1回)については、各々受理後に個別講評及び一括講評を行う。

受講生の到達目標

●アヘン戦争後の中国の近代化過程について説明することが出来る。
●中国革命の歴史について説明することが出来る。
●中華人民共和国の歴史について、概要を説明することが出来る。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

清帝国形成史〔―多面的君主像の形成―〕

●満州族の「ハン」〈女真系諸部族連合の盟主〉
●漢族の「皇帝」〈狭義の「中国」の主、儒教的有徳者としての君主像〉
●モンゴル世界の「ハーン」〈遊牧民世界に屹立する最強統一者〉
●チベット仏教世界の「大施主」〈転輪聖王〉、●イスラーム教世界の「保護者」

第2回

清帝国の中華的世界秩序(The Chinese World Order)

●中国を中心とする同心円的世界構造〈省制施行地域、藩部、朝貢国体系〉の完成
●李氏朝鮮の「小中華」思想
●ベトナム阮朝の「南帝」意識
●日本の「大君」外交

第3回

アヘン戦争と近代西欧国際体制への包摂過程

●広東貿易体制と「近代世界システム」〔近代西欧国際体制〕の脅威
●アヘン戦争と南京条約,香港割譲
●アロー戦争と北京条約、近代的条約体制への参画

第4回

太平天国の乱

●洪秀全と“客家”の「滅満興漢」〈「反清復明」〉思想
●太平天国の乱と南京定都、北伐
●漢族郷紳と郷勇

第5回

洋務運動と同治中興

●洋務運動と「中体西用」理念、民族資本家の成長
●海防論と塞防論〔近代的領土支配の形成〕
●清仏戦争と日清戦争,台湾割譲〔伝統的朝貢関係の解体過程〕
●フランスのインドシナ植民地化と日本の朝鮮植民地化

第6回

変法運動と北清事変

●戊戌変法
●仇教運動と義和団事件〔北清事変〕
●光緒新政と「上からの近代化」:各省議会への漢族郷紳の進出
●中国同盟会の発足

第7回

辛亥革命と孫文

●孫文と“客家”の「滅満興漢」思想
●孫文の「中華民族」〔漢民族による同化主義〕構想
●辛亥革命(第一革命)と南京定都、中華民国の樹立
●清帝国の滅亡と北京還都

第8回

袁世凱と軍閥政権

●袁世凱と第二革命、第三革命 ~近代国民帝国建設構想~ 
●日本による対華二十一ヵ条要求と五・四運動
●軍閥諸政権(安徽派、直隷派、奉天派)の興亡
●中国国民党及び中国共産党の結成と第一次国共合作

第9回

蒋介石と北伐

●党国体制と国民革命軍
●「訓政期」の概念
●第一次北伐と上海クーデタ、南京国民政府の樹立
●第二次北伐と日本による山東出兵、国民党政権による中国再統一

第10回

満州事変と第一次国共内戦

●満州事変と満州帝国の発足
●日本の華北進出と傀儡政権の建設
●第一次国共内戦と中国共産党の「長征」
●西安事件

第11回

日中戦争と第二次国共合作

●盧溝橋事件と南京事件
●第二次国共合作と抗日民族統一戦線
●日本による「大東亜新秩序」と「大東亜共栄圏」構想
●日中戦争と太平洋戦争

第12回

第二次国共内戦と中華人民共和国の建国

●太平洋戦争での日本の敗戦と日中戦争の終結
●第二次国共内戦と人民解放軍の成長
●国民党の敗退と中華民国の台湾移転
●中国共産党による北京定都、中華人民共和国の樹立〔~「二国時代」の始まり~〕

第13回

毛沢東と文化大革命

●百花斉放・百家争鳴と反右派闘争
●大躍進と調整政策
●文革と非毛沢東派の大粛清、紅衛兵と「造反有理」、下放と四人組による恐怖政治

第14回

改革・開放政策と天安門事件

●第一次天安門事件と毛沢東時代の終焉
●「改革・開放」政策の開始と「北京の春」圧殺
●第二次天安門事件と民主化運動の弾圧
●鄧小平時代から集団指導体制への移行過程 ~香港返還~

第15回

社会主義市場経済と習近平体制

●「社会主義市場経済」理念の浸透と経済大国化、米中貿易戦争の勃発
●「党国」体制の再構築とIT監視網確立、チベット,ウイグル,モンゴル族等//少数民族への同化政策:自治区の国内植民地化、「再教育」施設と称する強制収容所の増築
●南シナ海での人工島・軍事基地建設と台湾併合への野心、「一帯一路」共栄圏構想とインド洋及び西太平洋進出構想:世界再分割への企図
●中国発コロナ不況と「新常態」への転換構想、習近平個人崇拝と文化大革命2・0

授業実施形態

 【BCPレベル1~2の場合】
 第1回をメディア授業〈オンデマンド〉で、第2回~第15回を対面授業で実施する。その際、受講登録の結果、受講者数が「コロナ禍における教室定員」を超えた場合には、受講者を学生番号の偶数グルーブ(以下、Aグルーブ)と奇数グルーブ(以下、Bグルーブ)に分割し、各々を対面受講グルーブとメディア〈ZOOMライブ〉受講グルーブに分類して毎回入れ替える方式を用いる。具体的には、Aグルーブは第2回,第4回,第6回,第8回,第10回,第12回,第14回を対面で行い、同じ回でBグルーブはライブ受講を行う。また、第3回,第5回,第7回,第9回,第11回,第13回,第15回はBグルーブが対面受講し、Aグルーブは同じ回をライブ受講することになる。但し、これでも身体的距離が十分に確保できない場合は、全員メディア授業〈オンデマンドまたはライブ〉に切り替えるケースもある。ライブの録画は、各回講義後に一定期間配信する。
 なお、対面受講が種々の理由により困難な学生に関しては、その申請に拠り、ライブ受講を許可する。
 また、出欠確認は、対面受講の場合は学生証によるカードリーダーで行い、ライブ受講の場合は、ライブ録画の閲覧記録等によって行う。


 【BCPレベル3~4の場合】
 第1回~第15回全てメディア授業〈オンデマンド〉で講義する。

授業外学習の指示

 受講前に、中国史に関する簡単な概説書に目を通しておくこと。特に高等学校時代に教科の『世界史』を選択していなかった者や、選択しても十分に勉強していなかった者については、必ずそうすること。また、高校の『世界史』にある程度自信のある者でも、受験後一定期間離れていたならば、驚くほど内容を忘れているものなので、やはり教科書や資料集等を用いて復習しておくことが望ましい。
 講義では、高等学校レベルの基礎的説明は省略するので、その辺りは自助努力を心掛けてもらいたい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

 中間レポートを1回、期末レポートを1回実施する。出題はmanaba+R上で行い、提出受付もmanaba+R上で行う。中間レポートは40点配点、期末レポートは60点配点で合計点数を算出する。詳細については、manaba+Rのコースニュースで随時公示していく。出題する該当範囲の理解度及び文章作成能力を基準として成績評価を行う。

成績評価方法(備考)

 上記の成績評価方法は基本的にBCPレベル1~2の場合に対応したものであるが、BCPレベル3~4の場合(全講義WEB形式)も、同様の評価方法を採ることにする。

受講および研究に関するアドバイス

 対面受講の際には、他受講生とのソーシャルディスタンスにくれぐれも留意すること。マスクは必携。不要なおしゃべりは無論禁止する。講義中のスマホやノート型,タブレット型PC等の操作も(受講上、不要な操作の場合は)遠慮すること。飲食も勿論禁止。講義中の教室からの恣意的な出入りは、他の受講生にとって迷惑になるため、原則禁止である。WEB受講時の内容の質問は講義終了時に教室で応対するが、ソーシャルディスタンスに留意すること。
 課題レポートについては、事前に告示を行い、また出題から受付開始まで1週間くらいの期間を設定し、受付開始から締め切りまでは4日間くらいの期間を設定する予定である。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

 毎回、講義レジュメをmanaba+R上で配信する。レポート作成時の根本資料となるので、大切に保管すること。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
大清帝国への道 石橋崇雄 講談社 9784062920711
大清帝国と中華の混迷 平野聡 講談社 9784062924702
巨龍の胎動 天児慧 講談社 9784065230954
ラストエンペラーと近代中国 菊池秀明 講談社 9784065230947
中華人民共和国史 天児慧 岩波書店 9784004314417

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html