授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33775:[2025 春セメスター]社会思想史(E) 2025 春セメスター 水5 経済学部 西 淳 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 101号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 経済学の成立・発展とその背後にある社会的・制度的背景の変化とは切り離すことができない。なるほど、経済学には、理論的に、学問の中で内生的に発展していくという側面があることは確かである。しかし他方で、個々の経済学説には、それぞれの学者の生きた時代の現実が反映され、そのため、その時代の経済的・社会的諸制度という前提のもとで妥当していたという側面もあるのである。さらに自然科学とは異なり、社会科学においては対象自体も時間とともに変化していく。よって同じ資本主義という対象を問題としていても、それぞれの時代の経済学者が向き合ったその有様は大きく違っているはずである。このような観点から、この授業では、経済学説の変遷と資本主義における社会経済的諸制度の変遷との対応関係をみていくことによって、そこからみえてくる経済・社会思想の変遷を議論していくことにしたい。そのような考察を通じて今我々が生きている時代がいかなるものであるかも明らかになるであろう。なお、授業は授業資料を配布する形で行う。

受講生の到達目標

 資本主義経済という対象の変化と経済理論、思想の変遷との関係を議論しますが、このような議論を考えることによって、逆に、現代の経済学、あるいは経済そのものについての理解も深まりうるのだということを理解してください。あくまで、今、われわれが生きている社会経済を歴史的な観点から理解するということが到達目標となります。なお、この授業を受ける事によって、資本主義というシステムについて理解することができ、またそれを通じて社会人として現代の経済社会に生きるうえで必要な知識をもち、それをもとにして判断、行動していく力をもつことができるようになります。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 特にありません(が原論系の科目「社会経済学」や「経済学史」は関連するところが多いですので、履修しておくと理解に資すると思います)。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

はじめに。

「資本」とは何か。生産、分配、消費・蓄積の循環関係。資本主義経済の基本的特質。

2

社会制度の変遷と経済。

エネルギーと経済との関係(狩猟採取社会、農耕社会、工業化社会)。高度有機経済。鉱物基盤のエネルギー経済。

3

制度変化と経済の調整のあり方。

家計と企業の分離。労働と所有の分離。所有(資本)と経営の分離。

4

初期産業資本主義の時代(古典派経済学の時代)。

社会階級の区分。セイ法則。経済的イデオロギー、古典的派労働市場(無制限供給型)。

5

中期産業資本主義の時代。

経済主体の区分。資本家と経営者。貯蓄と投資の分離。価格・競争メカニズム。新古典派的経済学の労働市場への変化。経済的イデオロギー。

6

後期産業資本主義の時代(上)。

産業構造と財市場の変化。経営形態の変化。会社と株主、経営者との関係の変化。

7

後期産業資本主義の時代(下)。

金融市場における変化。利潤の源泉の変化。会社と労働者との関係の変化。

8

20世紀初頭(ケインズ以前)の経済学の考え方はどのようなものであったか(上)。

価格・競争メカニズム。家計と企業の関係。失業観。

9

20世紀初頭(ケインズ以前)の経済学の考え方はどのようなものであったか(下)。

小さな政府論。失業についてのさまざまな考え方。

10

ケインズによる経済学・経済思想の転換(上)。

数量調整メカニズム。経済における予想の重視。家計と企業の関係。

11

ケインズによる経済学・経済思想の転換(中)

失業観の転換。投資についての考え方。

12

ケインズによる経済学・経済思想の転換(下)。

フリーランチの経済学への転換。民間と政府の混合体制。

13

ケインズから現在へ。

家計と企業との関係。小さな政府論の復活。経済的イデオロギーの対立。所有関係の変化。

14

まとめ。

これまでの授業の内容を総括します。

授業実施形態

講義形式です。なお、14週のうち1週を115分授業とし、時間割授業時間(95分)以外に、[+R]授業(20分)を行います。

授業外学習の指示

 常日頃から、経済学自体や身のまわりの経済現象、経済についての報道、などについて興味をもつことが大切だと思います。なお、テキストを定めませんので予習しにくいかもしれませんが、授業のなかで指示する参考文献などを中心に、シラバスの内容を参照しつつ予習してください。なお、復習に関しては、毎回、穴埋め式のプリントを配布しますので、それを読み直すことで、毎回の内容の理解を深めるようにしてください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

評価は、期末のレポートが100パーセントである。レポートでは、経済学、経済思想の変化と経済制度の変化とがどのように対応し、またそのような変化によって現代の資本主義社会が生まれてきたのかを、論理的に解答することが求められる。出席点、コメント・シート提出の点などはない。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 この授業は経済学史とも関係するところが多いですので、経済学の歴史にも興味をもって普段から勉強しておくことは役立つと思います。さらに株式会社の問題などについても調べておくことは理解に資することになると思います。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

 教科書は使用しません(毎回、プリントを配布する予定です)。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
対話でわかる痛快明解経済学史 松尾匡 日経BP社 978‐4‐8222‐4764‐5

参考書(使用頻度、その他補足)

その他の参考文献については授業中に指示します。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

 毎回配布される資料を読み返して、自己学習にはげんでください。なお、授業中は私語は厳禁ですのでご注意ください。
 なお、繰り返しとなりますが、レポートは、同じような内容のもの(どこかからうつしたようなもの、あるいは他の人のものと似ているもの)は認められませんので、注意してください。
 また、試験ができなかったので追加の課題を出して救済してほしい(また、逆に落としてほしい)、等の個別の要望には応えることはできませんので、これもご注意ください。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/