| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科 | 全担当教員 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 14878:[2025 秋セメスター]現代平和論 (GB) § 14879:平和学入門(GB) | 2025 | 秋セメスター | 火2 | 産業社会学部,文学部 | 君島 東彦 | 2 |
キャンパス
授業施設
授業で利用する言語
授業の概要と方法
この科目は受講生に対する知識の注入をおよそ目的としていない。教育とは知識の注入ではない。教育とは自らの生き方・世界観を絶えず吟味し変革していくプロセスであり、教師はその産婆である。この講義は学生諸君が自ら化学反応を起こすための触媒である。この講義が学生諸君の世界認識・自己変革の手助けとなることを切に願っている。また、学問とは常識批判である。学生諸君の「先入観を裏切る」講義をめざしている。
この科目は立命館大学の1回生以上を対象とする平和学講義である。平和に関する思想は古くからあり、また哲学、政治学、法学などの諸学問が平和について考察することも古くからあるが、他の学問から区別される固有の学問として平和学が始まったのは1950年代の冷戦期である。平和学とは「戦争の原因と平和の条件を探究する学問」である。平和学は米ソ核戦争による世界の破滅を防ぐための知的営為として始まった。
戦争を克服することが平和学の課題であることは比較的明確であるが、1960年代に途上国──グローバル・サウス──の研究者から、「途上国は戦争がなくても平和とはいえない」という主張がなされ、それをうけるかたちで、平和の新しい捉え方が提起された。それは「暴力の克服としての平和」という捉え方であり、ここでいう暴力には暴力をふるう主体が明確な「主体的暴力あるいは直接的暴力」──戦争はその典型である──と暴力を行使する主体が不明確な「構造的暴力」──社会的差別のような社会構造に根ざした暴力──の両方が含まれる。そして、主体的暴力──戦争──のない状態を「消極的平和」、構造的暴力のない状態を「積極的平和」と捉えるようになった。このように考えると、平和とは「消極的平和+積極的平和」である。
2単位の授業でカバーできる範囲は本当に限られている。この講義は触媒であって、受講生諸君が今後の4年間の学びの中で自分の問題意識を発展させることを期待している。また、平和学は知識を獲得して終わる学問ではない。平和学とは、「自分自身の生き方を変革し、世界を平和的に変革するプロジェクト」である。この科目の履修を終えた学生諸君が、このプロジェクトに参加することを切望している。平和学が発展するばかりで、世界が平和にならないのでは意味がない。われわれが平和に少しずつ近づくために、この科目が何らかの役に立つならば、担当者としてうれしく思う。
この授業では、パワーポイントを使う講師のレクチャーに加えて、毎時間、2回ないし3回程度のグループ・ディスカッションを行う。講師から授業内容を深めるための問いを発する。毎時間、その問いを受けて、深く考えてほしい。
受講生の到達目標
・ 平和構築の諸相を理解する。
・ 世界経済と平和について理解する。
・ 戦後世界秩序の中の日本と東アジアを理解する。
事前に履修しておくことが望まれる科目
授業スケジュール
| 授業回数/ 担当教員(複数担当の場合) |
テーマ |
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| キーワード・文献・補足事項等 | |
| 1 |
I 平和をどのようにとらえるか
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・ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか
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| 2 | 2 ノーベル平和賞とは何であるか、我々はどう考えるか |
・ノーベル平和賞の120年をどう総括するか
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| 3 |
Ⅱ 核時代としての現代
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・核分裂反応の発見(1938)から原爆投下(1945)までの7年間
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| 4 | 2 広島、長崎の被爆について考える━━被爆の実相、平和博物館、芸術家の応答 |
・戦略爆撃、無差別爆撃という方法
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| 5 | 立命館大学国際平和ミュージアムを見学する |
衣笠キャンパスにある国際平和ミュージアムに集合して、見学する。館長の君島が展示について解説する。 |
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| 6 |
3 核時代とはどんな時代か?
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・A Time-Lapse Map of Every Nuclear Explosion Since 1945 by Isao Hashimoto
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| 7 | 4 核時代における2つの展開━━核依存と反核平和 |
・核依存の方向性
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| 8 |
Ⅲ 平和構築の諸相━━冷戦後における平和の課題
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・戦争と平和をめぐる思想的立場
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| 9 | 2 安全保障とは何か━━安全保障の根源的捉え直し |
・人間安全保障とはどのような考え方か
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| 10 |
Ⅳ 世界経済と平和━━グローバル資本主義のもたらす暴力、暴力克服の模索
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・グローバル・アパルトヘイト=シャンパン・グラス状の世界
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| 11 | 2 グローバルな分配的正義をどのように実現するか |
・グローバルな所得再分配
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| 12 |
Ⅴ 戦後世界秩序の中の日本と東アジア
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・「覇権戦争」という考え方
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| 13 | 2 平和研究としての憲法9条論 |
・君島東彦「日本国憲法の平和主義は日本の安全と世界の平和に貢献しているか」日本平和学会編『平和をめぐる14の論点』(法律文化社、2018年)
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| 14 | 3 東アジアの平和をどのようにつくるか |
・白永瑞『共生への道と核心現場━━実践課題としての東アジア』(法政大学出版局、2016年)
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授業実施形態
授業外学習の指示
成績評価方法
| 種別 | 割合(%) | 評価基準等 |
|---|---|---|
| 定期試験(筆記) | 0 | |
| レポート試験 (統一締切日を締切とするレポート) |
0 | |
| 上記以外の試験・レポート、平常点評価 (日常的な授業における取組状況の評価) |
100 | 毎回の授業でグループ・ディスカッションを行う。出席とグループ・ディスカッションへの貢献度が40%、中間レポートが30%、期末レポートが30%の比率で評価する。 |
成績評価方法(備考)
受講および研究に関するアドバイス
教科書
教科書(使用頻度、その他補足)
参考書
| 書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 平和学事典 | 日本平和学会編 | 丸善出版 | ||
| 平和を考えるための100冊+α | 日本平和学会編 | 法律文化社 | ||
| 戦争と平和を問いなおす━━平和学のフロンティア | 君島東彦・名和又介・横山治生 | 法律文化社 | ||
| 平和学を学ぶ人のために | 君島東彦 | 世界思想社 | ||
| Peace: A Very Short Introduction | Oliver P. Richmond | Oxford University Press | ||
| 平和理論入門 | オリバー・リッチモンド | 法律文化社 | ||
| The Oxford International Encyclopedia of Peace 4 Volumes | Nigel J. Young | Oxford University Press | ||
| The Nobel Peace Prize: What Nobel Really Wanted | Fredrik S. Heffermehl | Praeger | ||
| 原子爆弾の誕生(上・下) | リチャード・ローズ | 紀伊国屋書店 | ||
| オッペンハイマー━━原爆の父と呼ばれた男の栄光と悲劇(上・下) | カイ・バード&マーティン・シャーウィン | PHP研究所 | ||
| 戦略爆撃の思想━━ゲルニカ、重慶、広島 | 前田哲男 | 凱風社 | ||
| 核時代の思想史的研究 | 内藤酬 | 北樹出版 | ||
| 近代日本150年━━科学技術総力戦体制の破綻 | 山本義隆 | 岩波新書 | ||
| 正しい戦争と不正な戦争 | マイケル・ウォルツァー | 風行社 | ||
| Thinking about Peace and War | Martin Ceadel | Oxford University Press | ||
| International Law and New Wars | Christine Chinkin and Mary Kaldor | Cambridge University Press | ||
| 国際秩序と正義 | チャールズ・ベイツ | 岩波書店 | ||
| 世界正義論 | 井上達夫 | 筑摩書房 | ||
| 貧困の放置は罪なのか━━グローバルな正義とコスモポリタニズム | 伊藤恭彦 | 人文書院 | ||
| 暴走するアメリカの世紀━━平和学は提言する | ポール・ロジャーズ | 法律文化社 | ||
| 永続敗戦論━━戦後日本の核心 | 白井聡 | 太田出版 | ||
| グローバル・タックスの理論と実践 | 上村雄彦 | 日本評論社 | ||
| 敗北を抱きしめて(上・下) | ジョン・ダワー | 岩波書店 | ||
| 共生への道と核心現場━━実践課題としての東アジア | 白永瑞 | 法政大学出版局 | ||
| 普遍的価値を求める━━中国現代思想の新潮流 | 許紀霖 | 法政大学出版局 | ||
| 科学の社会史(上・下) | 廣重徹 | 岩波現代文庫 | ||
| 批判的安全保障論 | 南山淳・前田幸男 | 法律文化社 | ||
| 13日間━━キューバ危機回顧録 | ロバート・ケネディ | 中公文庫 | ||
| "核”を求めた日本━━被爆国の知られざる真実 | 「NHKスペシャル」取材班 | 光文社 | ||
| 核武装と知識人 | 岸俊光 | 勁草書房 | ||
| 平和学入門1 | 多賀秀敏 | 勁草書房 | ||
| 平和学入門2 | 多賀秀敏 | 勁草書房 |
参考書(使用頻度、その他補足)
参考になるwwwページ
授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法
備考
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/