授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
90453:競争戦略(MP) (U1) § 90454:競争戦略(U1) 2019 春1Q 土3-4 経営管理研究科 濱田 初美 2

キャンパス

大阪梅田/大阪梅田

授業施設

演習室1/演習室1

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

企業経営の根幹は事業を成功させる事にある。更なる発展には有効な戦略が必要となる。競争戦略の実現が企業の生死を分ける。有効かつ実行可能な戦略を策定し、提言する能力のある人材は少ない。本講義では、戦略を実行し、企業を繁栄に導くプロセスを学ぶ。

本講義のゲストには、ワールドクラスの実績ある経営者、コンサルタント、アナリストのいずれかを招聘する。

競争戦略(U1)はAMPの指定科目です。*AMP(Agriculture Management Program)

受講生の到達目標

 1.経営のフレームワーク、コンセプト、戦略の定義について説明できる。
 2.環境変化を踏まえて、経営の基本戦略の有効性を判断し、選択できる。
 3.戦略実行の成功と失敗の事例を把握、その真因を理解し、解説できる。
 4.競合に勝つ為のPOD(出発点)~POA(到着点)の設定ができる。
 5.任意の企業等について競争戦略案を策定しプレゼンすることができる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

事前履修科目はありません。「経営学」未習者、経営者以外の履修を可とします。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

テーマ:競争環境を俯瞰する。

アサインメント:
1)競争とは何か?競争について自己見解を纏め講義時間内に発言すること
2)日本と日本企業の相対的なポジションを把握すること

フォーカス・クェスチョン:
1)経営環境を俯瞰するツールはあるか?
2)競争戦略とは何か?

キーワード:成長を続ける企業の特徴、背景

2

テーマ:競争戦略論の二大潮流(1) ポジショニング派
ケーススタディ:日本企業 vs 海外企業

アサインメント:
1)日本のエレクトロニクス産業凋落の要因を把握すること
2)自己の見解を予め纏めておき講義時間内に発言すること
3)SWOT分析の実施

フォーカス・クェスチョン:
1)業界分析の手法にはどのようなものがあるか?
2)自社優位の経営資源はあるか?
3)アンゾフ・マトリックスとは何か?

キーワード:多角化戦略の成功と失敗、選択と集中

3

テーマ:競争戦略論の二大潮流(2) コア・コンピタンス派(ケイパビリティ派)
ケーススタディ:かつて世界最大「NOKIA」は何故に凋落したか

アサインメント:
1)携帯電話やスマートフォン業界における戦略相違を把握
2)ファイブ・フォースの事例分析

フォーカス・クェスチョン:
1)経営現場において、競争戦略論は有効に機能するか
2)自習する組織をつくるにはどうすればよいか

キーワード:グローバル戦略の光と影、VMI

4

テーマ:競争戦略論の二大潮流から距離を置く
ケーススタディ:コマツ vs キャタピラー

アサインメント:
1)建設機械業界の特殊性とは
2)コマツの農林業への支援事例
3)競争戦略の成功事例探索

フォーカス・クェスチョン:
1)ビジョン・ミッション・ストラテジーのバランス
2)何故、コマツはキャタピラーを猛追出来たのか?

キーワード: インテリジェンス情報、トップダウン

*小テストを2時限目に実施する。欠席者は減点対象とする。
但し、忌引き等やむをえない事情の場合は、事前承認の上で別途レポートを提出。

5

テーマ:競争優位獲得の条件
ケーススタディ:「サムスン電子」 vs 「アップル」

アサインメント:
1)華為技術は、なにゆえに急成長を遂げているか
2)コーポレートカルチャーは競争に影響するか
3)競争戦略の失敗事例探索

フォーカス・クェスチョン:
1)競争戦略の優位性
2)最大の経営課題の把握
3)成長の限界突破可能性

キーワード:人材活用とリティン、政治力の活用

6

テーマ:競争優位維持の条件
ケーススタディ:パソコン業界世界一のレノボ、かつてのHPとDELL

アサインメント:
1)パソコンやスマホメーカの水平分業モデルの把握
2)タブレット端末市場成長と業界地図の変貌
3) 所属企業等のPODとPOA設定

フォーカス・クェスチョン:
1)ベンチマークはどのように行なえばよいか?
2)成長限界を突破するにはどうすればよいか?

キーワード:企業文化、VMI、ミルクラン

7

テーマ:競争戦略の実践:タイヤ業界の競争戦略とイノベーション
ゲスト:㈱ブリヂストン 事業開発企画本部 主幹研究員 鈴木 薫 氏

ケーススタディ:世界シェアナンバーワン企業の競争戦略
アサインメント:適切な質問を行ない、A4で1枚レポートを作成

8

テーマ:受講生のプレゼンテーション(競争戦略を自らのものとする)。
    競争戦略の最終纏め講義

ケーススタディ:受講生各自の「競争戦略案」プレゼンテーション
アサインメント:
1)発表資料(ppt)の作成と時間内発表
2)他受講生の発表に対し適切にコメントすること

フォーカス・クェスチョン: 競争戦略の講義から得たものは何か?

授業実施形態

授業外学習の指示

最新情報を反映したケースタディを機軸に、経営のフレームワーク解説、受講生の課題発表とディスカッション、第一線の経営者、コンサルタント、アナリストの招聘を組み合わせ講義を進める。経営環境の急速な陳腐化等の場合、事例の変更がある事を予め了解されたい。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

8回講義中6回以上の出席、課題の提出とプレゼンを
単位認定の必須要件とします。

授業への主体的参加(小テストを含む) :50%
課題提出とプレゼンテーションの内容等 :50%

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

競争戦略(AMP指定)は実践的な内容、且つ経営実務の入門科目である。戦略を実行し成果をあげるプロセスの実践について学ぶ。講義中盤には、各自がPOD(出発点)とPOA(到着点)を設定する。ケーススタディを重視した授業展開を行う。

春1Qの「競争戦略」は経営の入門科目。この発展科目が秋1Qの「経営政策」と「ビジネス開発(隔年開講)。経営人材としての最終科目が秋2Q開講の「オーナーシップ」であり2回生時の履修が望ましい。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
ポーターを読む 西谷洋介 日本経済新聞出版社 978-4-532-11138-0 ポーターの入門書
競争優位の終焉 リタ・マグレイス 日本経済新聞出版社 978-4-532-31938-0 環境変化に合わせた戦略転換を論じている
事例研究 日本と日本軍の失敗のメカニズム―間違いはなぜ繰り返されるのか 猪瀬・菊澤・小谷ほか 中央公論新社 978-4-12-004497-7 失敗を回避できない組織とは
センスメイキング クリスチャン・マスビアウ プレジデント社 978-4-8334-2306-9 実践的な知の技法を解説

教科書(使用頻度、その他補足)

履修に際し、上記の中から解りやすい書籍を選んで、読み始めてください。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
戦略は直観に従う ウィリアム・ダガン 東洋経済新報社 978-4492532751 コロンビア大学MBA人気講座内容
実行する組織 ジョン・P・コッター ダイヤモンド社 978-4-478-02837-7 ベンチャーのスピードで組織を動かす
経営は何をすべきか ゲイリー・ハメル ダイヤモンド社  978-4-478-01569-8 世界で勝ち抜く5つの課題を解説

参考書(使用頻度、その他補足)

講義資料:毎回、配布の予定です。上記以外の適切な参考書等は、逐次、講義中に紹介します。日本経済新聞(経済教室、経営の視点等)に目を通しておくことを薦めます。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

その他(教員より別途指示)

備考

欠席事前連絡、質問、課題提出等は、初回講義時に提示したアドレスに送信して下さい。