授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
50467:[2025 春セメスター]行政法Ⅱ(P) 2025 春セメスター 水4 政策科学部 蔡 秀卿 2

キャンパス

OIC

授業施設

C273講義室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 皆さん、仮に貴方又は周りの方が以下の状況に置かれ、行政を争おうと考えたときにどうすればいいですか?
①貴方は、行政に運転免許を1ヶ月停止されました。しかし道路交通法違反がないと思いますが。
②貴方は公務員になりましたが飲酒運転で懲戒免職処分を受けました。しかし処分が厳しすぎと思いますが。
③貴方の女性友人は、障害を抱える子供をもっておりますが、働きながら子育てしたいと考えており、子供を公立保育園への入園を申込みましたが、面倒できないとして入園を拒否されました。しかしどうしても子供を入園させたいですが。
④貴方の家の近くに産業廃棄物最終処分場が設置され稼働されています。それにより生活環境等が悪化しており、行政に業者に対し何らかの措置を採ってほしいと考えております。
➄貴方の家の近くにパチンコ店が設置される見込みがあり、設置されると生活環境等が悪化するので、そのパチンコ店の設置を阻止しようと考えています。
⑥貴方は3.11大震災の教訓から原子力発電所の設置・稼働に反対し、何とか阻止したいと考えています。
⑦貴方の知り合い等がアスベストによる健康被害を被って苦しんでいて、救済を求めたいと考えています。


 以上のケースは、いずれも行政救済法の事件です。こうして皆さんが知らないところでも実に日常生活と深く関わっている行政救済法があるのです。行政救済のルールを勉強しておけば、自分のみならず、知り合い等の権利利益をも守ることができますので、行政救済法は様々な利益衝突の中で生き抜くための基礎知識です。

 行政法Ⅱ(行政救済法)は、このような、行政活動により権利利益を侵害された若しくは侵害されるおそれのある、又は特別の犠牲を被った国民・住民が請求しうる救済のルールです。国民・住民の目線からみれば、行政救済のルールを理解していれば自分の権利利益の保護に役立ち、行政の実務に携わる公務員の立場からみれば、行政救済のルールを理解していれば違法な(ないし不当な)行政にならないように適法な(ないし妥当な)行政を行わなければならないことを再認識することができます。

 また、皆さんが政策科学部において様々な公共政策のあり方を考える際に、行政事件における背景・事実関係、法令規定、裁判所の見解を理解していれば、権利利益の衝突の様相や行政の不備等を知ることができ、より多くの国民・住民の納得し行政が実効的に推進しうる、合理的かつ適切な公共政策を考案するには非常に有益です。

 行政法Ⅱは、大きく分けると、行政争訟法と国家補償法の2部構成です。前者はさらに行政上の不服申立てと行政事件訴訟に分けられ、後者はさらに損失補償と国家賠償に分けられます。



 授業の方法は基本的に授業スケジュールにしたがって進めていきます。しかも掲載される教材(レジュメ)及び参考書を皆さんが予習していることを前提として進めていきます。
 
 授業関係のご質問がある場合、個別指導(コレクション)またはメール(tsayshio@fc.ritsumei.ac.jp)で連絡してください。

 

受講生の到達目標

(1)行政救済の基本ルールを理解し行政事件を鳥瞰しそれによって公共政策の論点や課題を考えるための基礎的な法知識を獲得することができます。
(2)実効的な救済方法の基本知識を獲得することができます。

事前に履修しておくことが望まれる科目

 行政法Ⅰを履修中又は履修済みが望ましい。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

第1講 行政救済法(政策紛争法)の概観

行政救済、行政争訟、国家補償
【+R授業】詳細はmanaba+Rを参照

2

第2講 行政内部における政策紛争手段ー行政上の不服申立て

行政上の不服申立て、審査請求、再調査、審理員、行政不服審査会、教示

3

第3講 行政事件訴訟(1)-行政事件訴訟の類型及び取消訴訟①

抗告訴訟、当事者訴訟、取消訴訟

4

第4講 行政事件訴訟(2)-取消訴訟②

出訴期間、処分性、原告適格、狭義の訴えの利益、被告適格

5

第5講 行政事件訴訟(3)-無効等確認訴訟・不作為違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止め訴訟・

無効等確認訴訟、義務付け訴訟、差止め訴訟、

6

第6講 行政事件訴訟(4)-当事者訴訟、民衆訴訟・機関訴訟

当事者訴訟、民衆訴訟、機関訴訟

7

第7講 仮の救済

仮の救済、執行停止、仮の義務付け、仮の差止め、仮処分

8

第8講 損失補償(1)ー損失補償の概念・根拠及び損失補償の要否

正当な補償、特別の犠牲

9

第9講 損失補償(2)ー損失補償の内容及び個別法上の損失補償

財産権補償、付随的損失補償、生活権補償、事業損失補償、土地収用、公共用地取得

10

第10講 国家賠償(1)-公権力責任①

国家賠償、公権力責任、公権力の行使、公共団体、

11

第11講 国家賠償(2)-公権力責任②

公務員の職務遂行、過失

12

第12講 国家賠償(3)ー公権力責任③

違法性、職務行為基準説、規制権限の不行使、司法行為・立法行為の違法性

13

第13講 国家賠償(3)-公物責任及び国賠法3条から6条

公物、設置・管理の瑕疵、供用関連瑕疵、費用負担者、相互保証主義

14

第14講 結果責任又は公法上の危険責任に基づく国家補償

結果責任、公法上の危険責任、予防接種禍、特別救済立法

授業実施形態

対面授業8回(第1回を含む)、メディア授業6回。詳細はmanaba+にて掲載。

授業外学習の指示

 教材や参考書を勉強するにあたって、裁判例をも入手してその事件の背景、事実関係、法律関係、関係法令の意味・趣旨を読んで考えてみてください。
 授業に出席した後に、教材や参考書等を復習して、自分の言葉で説明できるか、理解しているかどうかを確認してください。また、裁判例の結論や理由の合理性・妥当性を考えてみてください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 60

期末に定期試験を行います。成績評価の60%を占めます。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
40

●レポートを1回課します。第7回の週に出題します。成績評価の40%を占めます。
●レポートの作成期間は、約3週間とします。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

・裁判例を勉強するにあたっては、できるだけレジュメ・判例集に要約された部分のみならず、判決文のすべてを読んでみてください。
・「行政不服審査法」、「行政事件訴訟法」及び「国家賠償法」条文を用意してください。ポケット六法をお持ちの方にはこれらの法律が収録されていますのでご参照ください。六法をお持ちでない方には総務省管理のe-Gov法令検索システム(図書館データベースからもアクセス可能)から入手してください。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は指定しません。manaba+Rコンテンツ(教材)で掲載している教材にしたがって授業を進めていきます。教材は各自で入手してください。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
レクチャー行政法 見上崇洋ほか 法律文化社 9784589034175
アクチュアル行政法 市橋克哉ほか 法律文化社 9784589032355
行政判例百選Ⅱ(第8版) 斎藤誠ほか 有斐閣 9784641115613
判例から考える行政救済法 岡田正則ほか 日本評論社 9784535520417

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/