授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33770:[2025 春セメスター]アメリカ経済論(E) 2025 春セメスター 水2 経済学部 大橋 陽 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 107号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 現在、アメリカが抱えている大きな問題は中間層が消えつつあることにある。分厚い中間層こそが「アメリカン・ドリーム」を体現するものにほかならない。それが消えつつあるというのはアメリカがアメリカでなくなることを意味する。
 大恐慌、ニューディール、第2次世界大戦を経た戦後経済繁栄(ニューディール連合)は社会の幅広い階層の生活水準を押し上げ、中間層が創出された。しかし、1970年代以降のいわゆる新自由主義下で展開された規制緩和・自由化、減税などの政策により、中間層が破壊されてきたと言える。
 本授業では、政治経済学的アプローチから、新自由主義下の潮流によって生じた新しい独占の経済権力と、それが政治権力として、政治、政策、経済に多大な影響を及ぼしていることを明らかにする。授業ではアメリカのイメージを形成し授業の理解を促進するため、できるだけ視聴覚教材も用いる。

受講生の到達目標

1. 認知的領域:知識・理解
 (1)アメリカ経済の根底にある理念とその変容を表す歴史事象を説明することができる。
 (2)大恐慌後のアメリカ経済の歩みを示す出来事を時期区分ごとに列挙できる。
2. 認知的領域:思考・判断・表現
 アメリカ経済の重要問題について自分の意見を根拠に基づいて説明できる。
3. 情意的領域:関心・意欲・態度
 アメリカ経済、政治、社会のニュースを、相互関係を示しながら解説できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

『現代アメリカ経済論:新しい独占のひろがり』について

Ⅰ どのように『現代アメリカ経済論』の出版に至ったのか? (背景)
Ⅱ なぜ「独占」が問題にされなくてはならないのか? (問題意識)
Ⅲ 何が「新しい独占」なのか? (内容)

第2回

ビッグ・テック:ハイテク製造業からプラットフォーマーへ

テキスト第1章
Ⅰ ポスト・フォーディズム論争再訪
Ⅱ 技術プラットフォームの独占とソリューション・サービス
Ⅲ GAFA:取引プラットフォームの独占

第3回

金融:2008年金融危機後における巨大資産運用会社の台頭

テキスト第2章
Ⅰ アメリカ型金融システムとその新展開
Ⅱ プライベート・エクイティによるメイン・ストリートの収奪
Ⅲ パッシブ・インデックス・ファンド

第4回

軍需産業:軍産複合体の特質と存続要因について

ゲストスピーカー:藤田怜史(岐阜市立女子短期大学)
テキスト第4章
Ⅰ 軍産複合体の基盤としての第2次世界大戦
Ⅱ 軍産複合体の特質
Ⅲ 軍産複合体を存続させる要因

第5回

農業・食品加工業:家禽・鶏卵部門と豚部門における垂直統合を中心に

テキスト第3章
Ⅰ 家禽・鶏卵部門における生産契約と垂直統合:アメリカ農業における先行例
Ⅱ 家禽・鶏卵部門における経済力集中に伴う問題
Ⅲ 豚部門における1990年代以降の契約拡大により垂直統合と経済力集中
Ⅳ 豚部門における経済力集中に伴う問題

第6回

小売業:チェーン・ストアからウォルマートまで

テキスト第5章
Ⅰ 反チェーン・ストア運動とその問題点
Ⅱ 第2次世界大戦後の中小小売の衰退
Ⅲ 1970年代からの変化:反トラスト政策の変化と消費者厚生の偏重

第7回

補足とグループワーク(1)

テキスト序章〜第5章までを振り返るためのグループワーク。
【+R 授業】詳細はmanaba+R を参照

第8回

国際分業の編成とグローバル・バリューチェーン

メディア授業。
テキスト第6章
Ⅰ アメリカの貿易構造と通商政策
Ⅱ アメリカ多国籍企業のグローバル展開と国際分業の編成
Ⅲ アメリカ多国籍企業の国際分業とグローバル・バリューチェーン

第9回

ドル体制と金融覇権

テキスト第7章
Ⅰ 国際通貨としてのドルの基本的な構造
Ⅱ グローバル経済の不均衡の拡大と国際通貨としてのドル
Ⅲ 金融制裁とドル・システムの今

第10回

高度人材の育成とグローバル頭脳獲得競争

テキスト第10章
Ⅰ 人口動態および産業構造の変化と「トランプ現象」
Ⅱ 途上国の開発と国際分業体制の成立
Ⅲ 移民政策の転換とヒスパニック系「非正規移民」の増加
Ⅳ 移民経済学とアメリカ産業界

第11回

産業界が生んだ「非正規移民」

ゲストスピーカー:下斗米秀之(明治大学)
テキスト第9章
Ⅰ インドにはなぜ高度人材が多いのか?
Ⅱ アメリカへの高度人材の頭脳流出
Ⅲ 国際的な人材争奪競争と「頭脳循環」

第12回

少額ローンと金融包摂:消費者金融法タスクフォース報告書に見る永続的課題

テキスト第11章
Ⅰ 消費者金融保護局創設から消費者金融法タスクフォース設置へ
Ⅱ 消費者金融法タスクフォース報告書から見るアメリカ消費者信用小史
Ⅲ 少額ローンと金融包摂

第13回

Amazonと反トラスト政策:反トラスト政策の歴史的な歩みと現在地

テキスト第12章
Ⅰ AmazonのビジネスとアメリカEC市場
Ⅱ Amazonの何が問題になっているのか
Ⅲ 反トラスト政策の転換

第14回

補足とグループワーク(2)

テキスト全体(序章〜第13章)を振り返るためのグループワーク。

授業実施形態

原則対面授業とし、オンデマンド型にする場合にはmanaba+Rにて連絡する。

授業外学習の指示

1. 各回の授業のテキストの該当箇所について予習、復習を行う。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 58

定期試験(筆記)58%。

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
42

コメントシート42%(毎回授業の終了時にManaba+Rに提出することを求めます。期限厳守。1回3点相当。)。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
現代アメリカ経済論:新しい独占のひろがり 大橋陽、中本悟 日本経済評論社 9784535540316 ほとんどの回の授業で使用します。必携です。

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
この戦いはわたしたちの戦いだ:アメリカの中間層を救う闘争 エリザベス・ウォーレン 蒼天社出版 9784901916400 授業の背景と詳細を理解するのに有益です。
ウォール・ストリート支配の政治経済学 大橋陽・中本悟編著 文眞堂 9784830950650 授業の背景と詳細を理解するのに有益です。

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/