授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
12897:[2025 春セメスター]IR18‐EAJ201 憲法Ⅰ(R) § 12898:IR-EAR201 憲法Ⅰ(R) 2025 春セメスター 火3 国際関係学部 君島 東彦 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS305号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法


 この科目は受講生に対する知識の注入をおよそ目的としていない。教育とは知識の注入ではない。教育とは自らの生き方・世界観を絶えず吟味し変革していくプロセスであり、教師はその産婆である。この講義は学生諸君が自ら化学反応を起こすための触媒である。この講義が学生諸君の世界認識・自己変革の手助けとなることを切に願っている。また、学問とは常識批判である。学生諸君の「先入観を裏切る」講義をめざしている。

 国際関係学部において憲法の講義は「憲法 I 」(憲法総論、2回生前期)「憲法 II 」(ガバメント/ガバナンス論、2回生後期)「憲法 III 」(人権論、3回生前期または後期)(各2単位、合計6単位)の3つの部分に分けられる。「憲法 I 」は憲法総論であり、憲法の概念、憲法学の性質、憲法の歴史、近代憲法の歴史と論理構造、人権と民主主義の普遍化、日本における憲法の歴史、日本国憲法の成立過程、戦後日本憲法の論理構造、戦後日本憲法の平和原理などについて考える。

 憲法とはconstitutionであり、憲法学はconstitutionに関する学問である。Constitutionとは政治共同体の枠組みである。現在の世界において政治共同体/constitutionsは重層的に存在している。憲法学が地球社会のconstitutionを考察するとき、それは国際関係学に接近していくだろう。
 
 この授業では、パワーポイントを使う講師のレクチャーに加えて、毎時間、2回ないし3回程度のグループ・ディスカッションを行う。講師から授業内容を深めるための問いを発する。毎時間、その問いを受けて、深く考えてほしい。

受講生の到達目標

・憲法/constitutionの概念を理解する。
・近代憲法の成立過程と論理構造を理解する。
・人権と民主主義の普遍化(=脱植民地化)を理解する。
・日本における憲法(constitution)の歴史を理解する。
・戦後日本憲法の論理構造を理解する。
・戦後日本憲法の平和原理を理解する。
・現在の世界のconstitution=世界秩序を理解する。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

憲法、constitution、constitutionalism、憲法学(1)

憲法という日本語の歴史、「憲」という漢字、意味の変遷、西洋文明との出会い、constitutionを何と訳したか、国憲と憲法、古代・中世・近代におけるconstitution、近代市民革命(環大西洋革命)、
「固有の意味の憲法」と「近代的意味の憲法」、
constitutionalismという考え方、憲法学の対象と方法
【+R授業】詳細はmanabaの+R授業で確認すること。

2

憲法、constitution、constitutionalism、憲法学(2)

憲法という日本語の歴史、「憲」という漢字、意味の変遷、西洋文明との出会い、constitutionを何と訳したか、国憲と憲法、古代・中世・近代におけるconstitution、近代市民革命(環大西洋革命)、
「固有の意味の憲法」と「近代的意味の憲法」、
constitutionalismという考え方、憲法学の対象と方法

3

近代憲法の成立過程と論理構造(1)──イギリス革命と憲法

イギリス革命と憲法、レヴェラーズと人民協約(Agreement of the People)、クロムウェル
1689年権利章典(Bill of Rights)
映画 "Cromwell"(1970)

4・5

近代憲法の成立過程と論理構造(2)──アメリカ革命と憲法

アメリカ革命、1776年独立宣言、
アメリカ諸州の憲法、連合規約、合衆国憲法、
映画 "The Patriot"(2000)

6

近代憲法の成立過程と論理構造(3)──フランス革命と憲法

フランス革命、シィエス『第三身分とは何か』
1789年人権宣言、1971年憲法
エドマンド・バークとトーマス・ペインの論争、
映画 "Danton"(1983)

7

人権と民主主義の普遍化━━帝国主義・植民地支配の克服

イギリス革命、アメリカ革命、フランス革命の段階においては、人権と民主主義は西洋キリスト教世界の白人男性のものであった。人権と民主主義が普遍化する━━すべての人の権利と平等の理念が実現する━━のは、欧米列強および日本の帝国主義・植民地支配が否定されたあとである。つまり、1960年代以降である。

8

日本における憲法(constitution)の歴史(1)

近代以前の日本における憲法(constitution)、明治初期の状況、
自由民権運動の憲法思想・憲法草案、植木枝盛の日本国国憲案
大日本帝国憲法の成立過程と崩壊過程

9

日本における憲法(constitution)の歴史(2)

日本国憲法の成立過程
NHKドラマ「憲法はまだか」(1996年)
なぜ帝国大学の憲法学者は日本国憲法のような憲法を書けなかったのか?
自由民権運動の憲法草案→憲法研究会→GHQ→マッカーサー草案→日本国憲法という流れ

10

戦後日本憲法の論理構造

1946年日本国憲法の論理構造

11

戦後日本憲法の平和原理(1)━━憲法9条はどこから来たのか?

憲法9条はどこから来たのか?
アメリカ革命、フランス革命以来の憲法平和条項の歴史
ケロッグ・ブリアン条約(1928)、大西洋憲章(1941)

12

戦後日本憲法の平和原理(2)━━六面体としての憲法9条

・「六面体としての憲法9条」
憲法9条を、1)ワシントン、サンフランシスコ、2)大日本帝国、3)日本の民衆、4)沖縄、5)東アジア、6)世界の民衆、という6つの視点から見ることで、憲法9条の全体像がわかる。
・「2つの法体系」論
当初、日本国憲法は国連の集団安全保障による非武装日本の防衛を想定していたが、冷戦ゆえにそれは実現せず、日米安保条約(在日米軍+自衛隊)によることになった。戦後日本においては憲法9条の法体系と安保条約の法体系の2つの法体系が矛盾しつつ並存することになった。

13

戦後日本憲法の平和原理(3)━━憲法前文の国際協調主義、積極的平和主義

「しない」平和主義(9条)と「する」平和主義(憲法前文)
世界の平和をつくるために日本の政府と市民は何をするのか
国際貢献の多様なかたち、市民による非軍事的な活動
越境的市民社会との「連携・共闘」

14

戦後日本憲法の平和原理(4)━━東アジアの平和にとって日本国憲法とは何か

東アジアにとって日本国憲法とは何か
日本帝国主義の解体・克服としての憲法9条
東アジア国際関係と憲法9条
植民地主義の克服としての平和
転換期東アジアにおける平和の論点

授業実施形態

 授業は14回すべて教室における対面授業で行なう。対面授業のZoom配信および録画配信はしないので、必ず教室に来て授業を受けてほしい。この授業においては、教室におけるグループ・ディスカッション、教員との対話が重要な要素となっているので、教室に来るのは必須である。

授業外学習の指示

 教材をmanabaにアップロードするので、それを読むことが学びの基本となる。また、manabaにアップロードされている詳細なシラバスで紹介されているさまざまな文献を読むことを薦める。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

毎回の授業でグループ・ディスカッションを行う。出席とグループ・ディスカッションへの貢献度が40%、中間レポートが30%、期末レポートが30%の比率で評価する。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 この科目の言語は日本語である。しかし、日本語力に自信がないけれどもこの科目の内容に関心のあるGS専攻の学生の受講を歓迎する。課題への応答を英語で書いたり、担当教員に英語で質問したりすることを認める。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に指定しない。manabaにアップロードし、授業で配布する教材が教科書に準じるものであり、毎回これらの教材にもとづいて授業を行う。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
比較憲法 樋口陽一 青林書院
新解説世界憲法集 第5版 初宿正典・辻村みよ子編 三星堂
日本国憲法論 第2版 佐藤幸治 成文堂
法律学教材 日本憲法史 筒井若水・佐藤幸治・坂野潤治・長尾龍一 東京大学出版会
日本国憲法の誕生 増補改訂版 古関彰一 岩波現代文庫
日本国憲法制定の系譜 I・II・III 原秀成 日本評論社
日本近代思想体系9 憲法構想 江村栄一 岩波書店
植木枝盛選集 家永三郎編 岩波文庫
新編 明治前期の憲法構想 家永三郎ほか編 福村出版
帝国憲法崩壊史 久田栄正 法律文化社
ザ・フェデラリスト 斎藤眞・中野勝郎訳 岩波文庫
フランス革命の省察 エドマンド・バーク著/半沢孝麿訳 みすず書房
人間の権利 トマス・ペイン 岩波文庫
戦争放棄と平和的生存権 深瀬忠一 岩波書店
恒久世界平和のために──日本国憲法からの提言 深瀬忠一ほか編 勁草書房
共生への道と核心現場━━実践課題としての東アジア 白永瑞 法政大学出版局

参考書(使用頻度、その他補足)

第1回の授業のときに、詳細なシラバスを配布する予定である。このシラバスに、数十冊の参考書を挙げてあるので、これも参照してほしい。

参考になるwwwページ

第1回の授業のときに配布する詳細なシラバスに、参考になるウェブサイトが挙げてある。

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/