授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16815:IR18‐GJ207 中東研究B(R) § 16816:IR-FR208 中東研究Ⅱ(R) 2024 秋セメスター 金2 国際関係学部 鳥山 純子 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS305号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

 中東は、西洋近代とは異なる独自の原理原則が生きられている空間とみなされることがあります。そのため、内戦やテロといった暴力的なイメージや、近代対イスラームといった極端な構図のもとに一般化されて語られることの多い地域です。本授業が目指すのは、そうした「他者」として語られることの多い中東を、日常生活の地平からとらえ直し、自分たちの生きる日常の地続きに、人々の息遣いを感じられる距離で中東についての理解を深めることです。その最終目標は、狭い意味での「文化相対主義」を超えて、中東とも共存していける社会を考えることです。取り上げるのは、人々のライフコースや、衣服、食物、住居、エンターテイメント、あるいは家族関係といった、文化や暮らしにまつわる事柄です。また、中東社会に関わる知識を軸に、私たちが生きる社会の在り方についても考えます。なお中東は広い地域を含む概念ですが、本授業ではエジプトとモロッコの事例を中心に取り上げます。

キーワード:非西洋世界、イスラーム、文化、日常世界

受講生の到達目標

 本授業の目標は、中東での人々の暮らしや生き方について多角的に捉えつつ、自らの日常生活の地平に中東を考える能力や、自分たちが生きる社会を中東から再考する視点を鍛えることにあります。なかでも本講義を通じて、以下の3つの能力を習得することを到達目標とします。
① 文化や日常の暮らしといった視点から中東に関わる既存の知識の問題点が指摘できる
② 自らの、あるいは中東も含んだ異文化の日常生活に埋め込まれた格差が特定できる
③ 中東に関わる情報収集が適切に行え、それらを批判的に解釈・分析できる

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
第1回

ガイダンス 本講義の目的と概略

中東の地理的広がり、「中東」概念

第2回

中東にまつわるイメージ1:暴力的な中東

テロ、紛争、文明の衝突、イランイスラーム革命、湾岸戦争、9.11、アラブの民主化運動

第3回

中東にまつわるイメージ2:エロチックな中東

ハーレム、オリエンタリズム、オリエンタリズム批判

第4回

宗教

イスラーム、ムスリム(ムスリマ)、キリスト教、宗派主義、ラマダン、シーア派とスンナ派

第5回

家族

ジェンダー規範、結婚、出産、死

第6回

女性問題

スカーフ論争、アイデンティティ、文化相対主義、女性の抑圧

第7回

食

ハラールフード、食物禁忌、農業

第8回

住まいと空間

都市空間、商業空間、住居、イスラーム建築、男女の空間的隔離

第9回

エンターテイメント

メディア、テレビ、映画、音楽、検閲、サッカー

第10回

ショッピング

グローバルエコノミー、値段交渉、政府補助

第11回

中東という場所

政治的文脈と人の移動との接合、移民難民問題

第12回

中東に流れる時間

歴史的文脈と個人のライフステージの接合、民族衣装、多元的伝統、オリエンタリズム批判

第13回

中東文化の創造

世界遺産、歴史文化遺産の創出、観光と開発、アイデンティティ、NGO

第14回

変わりゆく中東

中東で今起こりつつあること、政治・文化・経済の転換

第15回

ふりかえり 文化相対主義を超えて

知識を味方につけつつ世界を変えること、とは

授業実施形態

原則対面で実施します。

授業外学習の指示

①授業15回のうち、最低10回について、1回当たり10分程度(⽬安)の回答時間を要するコミュニケーションシートをmanabaを通じて提出いただきます。
②また最低1回の文献発表動画(3分程度)をmanabaに提出いただきます。文献発表動画は、担当回の授業日前日23:59までにご提出ください。
③他の学生が作成した動画を視聴しセメスター中最低7回コメントの書き込みをしてください。コメントの良し悪しは評価しません。
④課題として出された文献は必ず精読し、自分なりの意見が言える様態で授業に臨んでください。

上記4点で概ね平均して 90分/週 程度の授業外学習を求めます。

また履修中は、中東に直接関わることだけでなく、新聞ネット等で国内外の政治・社会情勢に広く目配りをし、積極的に自らの世界動向の知識の幅と理解を深めておくことが求められますので、新聞等を通じた情報収集を常に行ってください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

授業内レポート(30%)、授業貢献度(70%)の配分で行います。授業貢献度は毎授業時に提出する課題、質疑応答セッション等での活発な発言などから総合的に評価します。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

 本授業では活発な問題提起や質問を歓迎します。たとえ自信がなくても、事実関係に誤りがあったとしても、発言をしようとすることによって、表現方法や理論的な思考方法が身に付きます。また、授業内容に関わる限り、教員に対しても疑義を呈することを恐れる必要はありません。この機会を使って、異論、反論を上手く伝えるスキルの向上に努めてください。
 
 You can ask questions and have consultations in English. You can also write communication papers in English. However, all the students are required to hand in the term paper in Japanese.

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
イスラームの生活を知る事典 塩尻和子、池田美佐子編 東京堂出版 4490106580
断と続の中東 非境界的世界を游ぐ 堀内正樹、西尾哲夫編 悠書館 4865820019
オリエンタリズム 上 エドワード・サイード 平凡社 4582760112
オリエンタリズム 下 エドワード・サイード 平凡社 4582760120

参考書(使用頻度、その他補足)

参考文献は、授業内で使用する文献を採録した書籍です。授業内では書籍のうち、特に関連する部分のみを配布しますので、全体を通読されたい方は参考書を入手することをお勧めします。参考書に採録された文献を含め、各回には必ず事前に精読すべき関連文献を事前に配布します。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html