授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
16630:IR18‐ECJ205 国際交流論(R) § 16631:IR-ECR205 国際交流論(R) 2024 夏集中Ⅰ 国際関係学部 高鳥 まな 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS201号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

授業の概要
・本科目では、近現代日本の国際文化交流に焦点を当て、世界情勢と日本社会の動向の中で国際文化交流がいかに認識、実行されてきたかを探り、今後どうあるべきかを考える。

・講義では、担当教員が日本の代表的な国際文化交流機関である国際交流基金での実務経験に基づき、国際文化交流に関わる各種概念、歴史的展開などを紹介し、具体的事例を取り上げつつ、国際文化交流の目的、政策や外交・社会状況等との関わり、実施形態、事業評価などについて検証する。

授業の方法
・授業は、全回対面で、講義、学生による発表、グループ・ディスカッションを組み合わせて行う。

・各日の授業毎にその日の授業で得た知見や気づきをまとめたものの提出を課す。学生が提出した各日のまとめのうち、代表的なもの等を翌日の授業の冒頭で取り上げ、補足説明等を行う。(本シラバス「授業外学習の指示」2、「成績評価方法」備考3参照)

・学生によるクラス内での発表として、あらかじめ各自に1項目を割り振り、その担当項目に関する発表を課す。(本シラバス「授業外学習の指示」1.(4)、「成績評価方法」備考2参照)

・全授業後に全授業を踏まえての期末レポートの提出を課す。(本シラバス「成績評価方法」備考1参照)

受講生の到達目標

・国際文化交流の特質に関する基礎的知識を獲得できる。
・国際文化交流の政策や事業についてその立案や実施上の要点を理解し、説明できる。
・国際文化交流の目的、評価についての見識を養い、説明できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

「国際」とは?、「交流」とは?、「文化」とは?: 言説、概念の整理

国際、交流、文化、国際文化交流、国民国家、文化外交、
文化協力、文化支援、国際協力、国際貢献、異文化理解、多文化社会、多文化共生、
広報、宣伝、文化工作、プロパガンダ 等

2

異文化との接触・受容(自然発生的な文化交流): 近代までの世界及び日本の事例

ヘレニズム文化、帝国(ローマ、ペルシャ、唐、・・・)、大航海時代 等

仏教伝来、遣隋・遣唐使、キリシタン、漂流民 等

3

日本の国際文化交流(1)
幕末

鎖国、ペリー来航(1853)、攘夷、安政の五カ国条約(1858)、パリ万博参加(1867)  等

4

日本の国際文化交流(2)
明治開国

「和魂洋才」、お雇い外国人万博参加(ウィーン (1873)、・・・)、岩倉使節団(1871-73)、欧化政策、鹿鳴館(1883) 等

5

日本の国際文化交流(3)
対支文化事業

義和団事件(1900)、義和団事件賠償金(1901)、外務省「対支文化事務局」設置(1923)、「対支文化事業」開始(1923) 等

6

日本の国際文化交流(4)
戦間期の国際知的協力、日本の孤立化

国際連盟発足(1920)、「知的協力国際委員会」発足(1922)、「知的協力国内委員会」設置(1926) 、「太平洋問題調査会」発足(1925) 等

満州事変(1930)、国際連盟脱退(1931)、「国際文化振興会」設立(1934)、「国際学友会」設立(1935) 等

7

日本の国際文化交流(5)
戦争と文化工作

外務省「文化事業部」廃止(1940)、「内閣情報局」設置(1940)、「大東亜省」設置1942) 等

南洋進出、日中戦争勃発(1937)、太平洋戦争勃発(1941) 等

日本語教育、南方特別留学生制度、一高特設高等科 等

8

日本の国際文化交流(6)
戦後の「文化立国」

「国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)」設立(1946)、ユネスコ加盟(1951) 等

「ガリオア・プログラム」開始(1949) 等

「日米フルブライト交流事業」開始(1952)、「国費外国人留学生制度」創設(1954) 等

9

日本の国際文化交流(7)
高度経済成長と対日批判

ODA開始(1954)、東京オリンピック(1964)、GNP世界第2位(1969)、大阪万博(1970)
等

ニクソン・ショック(1971)、「国際交流基金」設立(1972)、外交青書『情報文化活動の大要』(1973) 等

ODA文化無償事業開始(1975)、福田ドクトリン(「東南アジア外交3原則」)『心と心の触れ合い』(1977)、「ASEAN文化基金」設立(1978) 等

,大平総理所信表明演説『文化の時代、国際化の時代』(1979)、『地球の歩き方』創刊(1979)、大平内閣「環太平洋連帯構想」(1982)、プラザ合意(1985)、バブル経済(1986-1991) 等

10

日本の国際文化交流(8)
国際貢献、国際協力

竹下総理ロンドンスピーチ『世界に貢献する日本』(1988)、「国際文化交流に関する懇談会」設置(1988)、外交青書「国際協力構想」(1988)、内閣官房「文化交流推進会議」設置(1989) 等

国際交流基金「文化協力プログラム」開始(1989)・「日本語国際センター」設置(1989)・「アセアン文化センター」設置(1990)、「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」設置(1990) 等

湾岸戦争勃発(1990)、国際交流基金「日米センター」発足(1991)、「国連平和維持活動」参加開始(1992)、国連開発計画『人間の安全保障』(1994) 等

細川内閣「国際文化交流に関する懇談会」設置(1994)、国際交流基金「アジアセンター」設置(1995)、ODA最高額(約1兆4千億円)(1998)、小渕内閣「21世紀の日本構想懇談会」設置(1999) 等

橋本ドクトリン(2002)『多角的な文化協力』 等

11

日本の国際文化交流(9)
(8) ソフト・パワーとパブリック・ディプロマシー

ジョゼフ・ナイ「ソフト・パワー」(2004)、外務省「広報文化交流部」設置(2004) 等

国際交流基金「日中交流センター」設置(2006)、国際交流基金「さくらネットワーク」設置(2007)、「日本語教育スタンダード2010」策定(2010)  等

日本のポップ・カルチャー、クール・ジャパン、日本ファン 等

12

日本の国際文化交流(11)
「戦略的対外発信」、安全保障としての文化、多文化共生

K-POP、孔子学院(2004〜)・世宗学堂(2012〜) 等

日本の『正しい姿』、『多様な魅力』、『オール・ジャパン』での発信、日本ブランド、新日派・知日派の養成、訪日観光促進、オーバーツーリズム 等

文化庁「文化発信戦略に関する懇談会」設置(2007)、経産省「クール・ジャパン室」設置(2010)、外務省「戦略的対外発信室」設置(2015) 等

パブリック・ディプロマシーの強化、地球規模課題への取り組み、普遍的価値の共有 等

「国家安全保障戦略」(2023) 等

「特定技能制度」(2019)、「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」(2022)、特別高度人材制度(2023)、定住外国人 等

13

日本の国際文化交流(12)
事例研究1

文学の翻訳

14

日本の国際文化交流(12)
事例研究2

海外における日本研究

15

「文化政策」とは? 、「国際文化交流」とは?

現代社会において、「文化政策」をいかに捉え、「国際文化交流」がどうあるべきかを考える。

授業実施形態

全回を対面授業で行う。

授業は、講義、学生による発表、グループ・ディスカッションを組み合わせて行う。

授業配慮等の取り扱いについては、manaba+R「国際関係学部生のページ」および「学び支援サイト」で確認すること。
国際関係学部生のページ:https://ct.ritsumei.ac.jp/ct/course_1728150
学び⽀援サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/pathways-future/

授業外学習の指示

・本授業を理解し、到達目標を達成するためには、参考文献・資料等にあたり、積極的に授業外の学習を進め、予習・復習する姿勢が望まれる。

・本シラバス「成績評価方法」に記載したとおり、
  各自にあらかじめ割り振られる項目の発表(下記1(4))、
  各日の授業内容に関するまとめの提出(下記2)、
  授業全般及び各自の授業外学習を踏まえて作成する期末レポートの提出
を課す。

1. 予習として、
(1)世界史および日本史(特に19世期半ば以降現代まで)を概観し、異文化接触・異文化交流という観点に立って、主な出来事とその時代背景・社会状況を押さえておく。
(2)現在の世界情勢、日本の社会情勢を押さえておく。
(3)本シラバス「参考書」および「参考になるwebページ」記載の資料を参考にする。
(4)各学生にあらかじめ発表項目を割り振って後日の授業中に発表することを課すので、担当項目を調べ、パワポやワード等の発表資料をまとめておく。

2. 復習として、
・各日の授業コマ(本科目は集中講義であり1日3コマ×5日)ごとにそこで得た知見や気づきをまとめる(本シラバス「成績評価方法」参照)。授業内容を振り返り、自らの考察をまとめる姿勢が望まれる。

3. 授業中に随時追加で参考文献や資料、ウェブサイト等を紹介予定であり、それらを通して各自の理解と知識の拡大に努める。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

・40% :期末レポート
授業で扱った論点や項目等を踏まえて各受講生が各自の関心に基づいて選んだテーマについて、その知識と考えを問う。「受講生の到達目標」全てに対応する。(下記「備考1」参照)

・20%:発表
あらかじめ割り振られる項目に関する発表内容を問う。対応する「受講生の到達目標」は各項目による。(下記「備考2」参照)

・40% 平常点
各日ごとに、その日の授業で得た知見・気付き等を問う。また、授業への積極的な参加を求める。対応する「受講生の到達目標」は各日の講義内容による。(下記「備考3」参照)

成績評価方法(備考)

備考1 期末レポート
・全講義を通じて得た知見を踏まえ、自由にテーマを設定してのレポート作成を求める。レポートは授業で得た知見や他者の発表、各自の関心等に基づくものであり、その内容の深さ、客観性、論理性等を評価する。(40%)


備考2 発表
・担当する項目に関し、授業中の発表を求める。その内容、客観性、論理性等を評価する。 (20%)

備考3 授業での知見・気づき、授業参加
・各日ごとに、その日の授業の各コマ(本科目は集中講義であり1日3コマ)で得た知見や気づきなどを150-600字程度にまとめ、manaba+Rを通じ翌日までの提出を求める。また、知見や気づき等の提出に加え、討論等、授業への積極的な参加を評価する。(40%)

受講および研究に関するアドバイス

・国際文化交流を考察するには広範で偏りのない歴史の知識が必要である。今までに得てきた世界史と日本史の知識を再確認し、異文化接触・異文化交流という観点に立ちながら、歴史の流れと主な出来事、その時々の政治や社会状況を押さえておく。

・日常的に、現在の世界情勢や各国の立ち位置、日本の社会状況に関心を持ち、その中での文化や文化交流、異文化理解、多文化共生等の意味や役割、位置づけなどを考えるようにする。


教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
万国博覧会と人間の歴史 佐野真由子編 思文閣出版 9784784218196
外交vol.51 特集:パブリック・ディプロマシーの最前線 「外交」編集委員会 外務省 4901783688
<文化>を捉え直す カルチュラル・セキュリティの発想 渡辺靖 岩波書店 4004315735
ソフト・パワー 21世紀国際政治を制する見えざる力 ジョゼフ・S・ナイ 日本経済新聞出版 4532164753
Hakuki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち 辛島デイヴィッド みすず書房 97846220877
国際文化交流を実践する 国際交流基金編 白水社 9784560097977
近代日本と国際文化交流 芝崎厚士 有信堂 4842055332
提言 社会の分子ではなく、分母としての文化政策 新しい文化政策プロジェクト編 同プロジェクトウェブサイト

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

・国際交流基金ウェブサイト www.jpf.go.jp

・政府の国際文化交流関連の施策、言説等については、関連省庁(外務省mofa.go.jp、文科省mext.go.jp、文化庁bunka.go.jp、スポーツ庁mext.go.jp>sportsなど)のウェブサイトで検索できる。

・地方自治体、NPO、学術文化機関、交流団体、企業などの国際文化交流活動についても、それぞれのウェブサイトが参考になる。

・「新しい文化政策プロジェクト」ウェブサイト cp.educ.kyoto-u.ac.jp/cp-pro/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

manaba+R,学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

担当者の実務経験について

 本科目担当教員は、独立行政法人国際交流基金において、日本語事業運営部長・海外事業戦略部長・日本語試験センター事務局長・ロンドン日本文化センター所長・欧州総局長等としての実務経験を持ち、また、3度の海外駐在経験(パリ、ロンドン(2度))を有している。本科目では、そこから得た知見を授業内容に反映させている。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html