授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科 | 全担当教員 | 単位数 |
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15511:IR18‐FJ206 特殊講義(固有専門関連科目)(RE) § 15512:IR-EDR205 特殊講義(固有専門関連科目)(RE) | 2023 | 秋セメスター | 月4 | 国際関係学部 | 山本 忠通 | 2 |
キャンパス
授業施設
授業で利用する言語
授業の概要と方法
受講生の到達目標
紛争解決の為には、現地の複雑な事情、特に異なる発展段階からくる異なるものの見方や慣習についての理解が不可欠なことなど、世界の多様性について学ぶ。
冷戦終結直後のような自由民主主義についての楽観的な見方が影を潜め、ロシアや中国などが国際秩序の在り方に疑問を投げかけている状況の中で、国際秩序の在り方について自ら考える糸口を与える。
事前に履修しておくことが望まれる科目
授業スケジュール
授業回数/ 担当教員(複数担当の場合) |
テーマ |
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キーワード・文献・補足事項等 | |
1 | 国際平和活動の歴史 |
第二次世界大戦後の国連の誕生とその最大の課題としての平和維持。
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2 | 日本の平和活動 |
活動の歴史:国際平和協力法の成立とそれに基づく活動。
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3-10回は、平和活動の諸局面をアフガニスタンにおける実際の国連の活動を例に、経験を交えながら、考察する。その際、国連平和活動の複雑な諸相と課題への理解を深めることが期待される。
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国連の平和活動について理解を深めるために、アフガニスタンを例にとるので、まず、アフガニスタン問題について説明する。
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4 | 内政の安定。民主的政治体制の確立:選挙 |
紛争後の平和構築は、国家建設を伴うことが多い。最も根本的な国際社会の関与である。
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5 | 和平と和解 |
タリバンが勢力を盛り返したことから、和平と和解は、政治的に最も重要な課題となった。
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6 | 主要関係国及び周辺国との関係 |
平和活動は、対象国と国連との関係だけで終わるものではない。関係国と周辺国を含む主要国との関係は、その行方を左右する。
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7 | 人権問題と法の支配、女性の権利擁護とエンパワーメント、報道の自由 |
平和活動で最も大事なことの一つが人権と法の支配である。紛争から立ち直る社会に持続可能な秩序と人間の尊厳を与えることは、平和活動の目的そのものである。
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8 | 難民問題と人道支援 |
現在、紛争による難民問題は、世界的に大きな問題になっている。アフガニスタンはその最たるものの一つである。パキスタンとイランに2-300万人ずつ以上の難民が流入し、トルコなど近隣国にも多くの難民がいる。加えて、国内避難民も数十万人出て、アフガニスタンにおける難民問題は、世界でも最も深刻なものの一つとなった。故緒方貞子女史が、国連難民高等弁務官としてアフガン難民のために尽力したことは良く知られている。この難民問題についての国連の努力を説明する。
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9 | 開発援助と国際支援調整 |
平和活動の大きな活動の柱は開発支援である。まさに国家建設に繋がる活動である。
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10 | アフガニスタンからの教訓:インタラクティブ・セッション |
これまでのアフガニスタンについての考察を基に、国際社会と国連の平和活動の課題を考える。
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11 | 国連における平和活動についての検討と反省 |
11回以降は、アフガニスタンを離れ、国際平和活動と国際秩序維持など国連の活動全体についてより広く考察していく。
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12 | グローバリゼーションと国際秩序:現代の課題 |
冷戦直後の世界における自由民主主義についての楽観的な見方は影を潜め、米国と中国の対立が懸念される中、国際秩序の維持については、見直しが進行している。国際社会における秩序維持の歴史を振り返り、グローバリゼーションが進むなか、現在国際社会が直面している課題を考察する。 |
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13 | 現在の国際社会における平和維持と国連の役割 |
国連は、二度の世界大戦を経て、その参加を二度と繰り返さないとの頸椎の下に創設された。しかし、国債社旗の現実は、国連が当初抱かれた期待を破棄できるものではなかった。国連への期待と限界、及び、可能性について考察する。その際、安全保障理事会の問題点、憲章改正の困難さなどについて考察したのち、現在の動きを紹介する。 |
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14 | 狭義の平和維持を超えての国連への期待 |
人類が将来に向けて共有する課題とその克服のために国連が果たせる役割についての期待は大きい。この分野で国連が果たしてきた役割と今後への期待について考察する。“Our Common Agenda”に見られる国連の動きも紹介する。 |
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15 | 最終セッション;及び 国連で働くこと(国際公務員を希望する人へ) |
履修者の数に応じた形で、コースのまとめとしてのインタラクティブなセッションとし、国際社会のあるべき姿、進むべき方向について議論する場とする。
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授業実施形態
During the suspension period of BCP, classes will be as described in BCP levels 0-2.
各回の授業実施形態については、本科目のmanaba+Rコースニュース等で案内します。また、第1回目の授業実施形態については、第1回目授業開始までに上記コースニュース等でお知らせします(※)。なお、授業配慮等の取り扱いについては、manaba+R「国際関係学部生のページ」および「学び支援サイト」で確認してください。
国際関係学部生のページ:https://ct.ritsumei.ac.jp/ct/course_1728150
学び⽀援サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/pathways-future/
(※) 第1回目授業の授業実施形態を確認するためにはmanaba+Rの早期利用申請を行う必要があります。早期利用申請の詳細は、2023年度履修・登録の手引きを御確認ください。なおmanaba+Rで早期利用申請をおこなっても受講登録にはなりません。受講登録期間中に改めて登録を行う必要があります。
授業外学習の指示
特にアフガニスタンについて講義している時は、教科書を読んでいることが望ましい。
また、授業用のリーディング・リクアイアメントは出さないが、前以て資料(例えば、国連のOur Common Agenda)が配布される場合は、目だけでも軽く通しておくことが望ましい。
成績評価方法
種別 | 割合(%) | 評価基準等 |
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定期試験(筆記) | ||
レポート試験 (統一締切日を締切とするレポート) |
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上記以外の試験・レポート、平常点評価 (日常的な授業における取組状況の評価) |
100 | 出席して授業をよく理解することが重要である。(60%)
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成績評価方法(備考)
その理解の上に、自らの問題意識を持つことを評価する。
必ずしも答えがある世界ではないので、考え方をしっかり持つことが重要である。
受講および研究に関するアドバイス
それだけに生きた問題だが、普段はあまり考えることが多くないと思われる途上国の現実を考え、人類の将来のために何をすることが必要かを考える機会でもある。先入観を持たずに、人間を大事にすることの重要性を意識して考えて欲しい。
教科書
書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
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アフガニスタの教訓 挑戦される国際秩序 | 山本忠通、内藤正典 | 集英社 | 978-4-08-721224 |
教科書(使用頻度、その他補足)
参考書
書名 | 著者 | 出版社 | ISBNコード | 備考 |
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国際連合 | 明石康 | 岩波書店 | 4-00-431052-0 | |
平和構築入門 | 篠田英朗 | 筑摩書房 | 978-4-480-06741-8 | |
アフガニスタンを知るための70章 | 前田耕作、山内和也編著 | 明石書店 | 978-4-7503-5243-5 |
参考書(使用頻度、その他補足)
参考になるwwwページ
授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法
備考
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/