授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
33848:[2025 秋セメスター]経済学特殊講義Ⅲ(中国経済史) (E) 2025 秋セメスター 木4 経済学部 細見 和弘 2

キャンパス

BKC

授業施設

コラーニングⅠ 107号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

この講義の概要:
(1)14世紀末に明朝を建国した朱元璋=洪武帝は、中国を中心とする国際秩序を構築し、周辺諸国との間で厳格な管理貿易体制をしいた。それは民間人による私貿易を「密貿易」として禁止する鎖国体制を伴った。第三代皇帝永楽帝の時代には、史上空前の大船団が編成され、宦官の鄭和が司令官に任命された。鄭和は前後七度にわたるアジア・アフリカ遠征を通じて、明朝の朝貢体制を強化するとともに、マラッカのような新興港市国家に交易拠点を育成することで、海域の通商活動に一定の影響を与えた。
(2)15世紀末から欧州諸国が胡椒・香料を求めてアジアに進出してきた。その先陣をきったポルトガルは、モルッカ諸島で丁字の貿易独占を目指して失敗し、また中国進出も、明朝の軍事力の壁に阻まれた。なおポルトガルと明朝との軍事衝突は、仏郎機銃砲の伝来という副産物を伴った。ポルトガルに続いて、オランダが世界最初の株式会社を設立して、インドネシアに進出し、バタヴィアを根拠地に胡椒の独占に成功した。同時に、明朝との自由貿易を求めて北上したものの、明朝との武力衝突に敗れ、結局台南を根拠地に38年間の台湾統治をおこなった。
(3)17世紀後半にイギリスで茶を飲むことが習慣となり、中国から大量の茶葉が輸入されることになった。しかし中英茶貿易の伸張は、イギリス側に深刻な銀不足をもたらし、やがてインド産アヘンの中国輸出により問題の解決がはかられるようになる。大量のインド産アヘンの中国流入は、中国国内で銀高銭安をもたらして、人民の社会生活を混乱させた。
(4)アヘン戦争はアヘン貿易が原因で起こったにもかかわらず、南京条約ではアヘン貿易に関する条項がなく、天津条約の締結によりはじめて公認された。当時既に中国国内ではアヘンの国産が進んでいたので、インド産アヘンは、安価な中国産アヘンとの競争に晒され、やがて中国市場から駆逐されていく。

授業スタイルは、教室での座学によりおこなう。授業の終わり際に、当日の授業内容の要約を書いてもらうか、或いは簡単な設問に答えてもらう。宿題とする場合もある。

受講生の到達目標

個々の歴史項目について精確に理解し、かつ的確に記述することができる。
同時に、巨視的な眼で歴史の動きを把握する力を身につける。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
初回

東アジア世界の形成と冊封体制

キーワード:冊封体制
文献:西嶋定生『古代東アジア世界と日本』岩波現代文庫、2000年
[+R授業]詳細はmanaba+Rを参照

2

明朝建国と朝貢体制の確立

キーワード:明朝、朱元璋(洪武帝)
文献:檀上寛『明代海禁=朝貢システムと華夷秩序』第三章、京大学術出版会、2013年

3

鄭和の南海大遠征

キーワード:永楽帝、鄭和、マラッカ
文献:寺田隆信『中国の大航海者:鄭和』清水新書、1984年
宮崎正勝『鄭和の南海大遠征』中公新書、1997年

4

アジアの中の琉球王国

キーワード:洪武帝、三山時代、琉球王国
文献:高良倉吉『アジアの中の琉球王国』吉川弘文館、1998年
岡本弘道『琉球王国海上交渉史研究』榕樹書林、2010年

5

ポルトガルのアジア進出と胡椒・香料貿易

キーワード:トルデシリャス条約、マラッカ、モルッカ諸島、丁字貿易
文献:生田滋『大航海時代とモルッカ諸島』中公新書、1998年

6

東南アジア海域の港市国家

キーワード:マラッカ、港市国家
文献:アンソニー・リード(平野秀明・田中優子訳)『大航海時代の東南アジア』Ⅰ&Ⅱ、法政大学出版会、2002年
弘末雅士『東南アジアの港市国家』岩波書店、2004年

7

仏郎機銃砲の中国伝来

キーワード:タマンの海戦、仏郎機銃砲
文献:中島楽章「銃筒から仏郎機銃へ」『史淵』148号、2011年
同「大交易時代のアジア海域世界」『東アジアと東南アジアの近世:一五~一八世紀』所収

8

明朝海禁政策の終焉と「嘉靖の大倭寇」

キーワード:海禁政策、福建の社会経済、朱紈、王直
文献:佐久間重男『日明関係史の研究』吉川弘文館、1992年
松浦章『中国の海商と海賊』山川出版社・世界史リブレット63,2003年
同『中国の海賊』東方書店、1995年

9

17世紀アジア海域におけるオランダと中国海商

キーワード:オランダ東インド会社、鄭芝竜、明清交替、鄭成功
文献:永積昭『オランダ東インド会社』講談社学術文庫、2000年
林田芳雄『鄭氏台湾史:鄭成功三代の興亡実紀』汲古書院、2003年

10

イギリス東インド会社のアジア進出

キーワード:イギリス東インド会社、アンボイナ事件、クロムウェルの改革
文献:浅田實『東インド会社:巨大商業資本の盛衰』講談社現代新書、1989年
浜渦哲雄『イギリス東インド会社:軍隊・官僚・総督』中央公論新社、2009年

11

中英茶貿易をめぐって

キーワード:イギリスにおける茶の普及、茶税、帰正法、マカートニー使節団、乾隆帝
文献:角山榮『茶の世界史』中公新書、1980年

12

アヘン貿易の確立過程

キーワード:ベンガルアヘンとマルワ・アヘン、カントリートレーダー、中国における銀の流出
文献:新村容子『アヘン貿易論争:イギリスと中国』汲古書院、2000年
加藤祐三『イギリスとアジア:近代史の原画』岩波新書、1980年

13

清朝政府のアヘン政策とアヘン戦争

キーワード:内禁と外禁、葉恒澍事件、零丁洋に浮かぶ躉船、林則徐
文献:井上祐正『清代アヘン政策史の研究』京都大学学術出版会、2004年

14

アヘン戦争後のアヘン貿易とその終焉

キーワード:アヘン貿易の合法化、四川アヘン、李鴻章のアヘン弛禁論、中英禁煙協定
文献:新村容子『アヘン貿易論争:イギリスと中国』汲古書院、2000年

授業実施形態

対面授業をおこなう。

授業外学習の指示

教室で配布するB4用紙に、授業内容の要約を書いてもらう。5~6回分を一枚の用紙に書きためてもらい、適宜提出してもらう予定です。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

授業時間内に適宜授業内容に関するレポート等の課題を実行・提出してもらいます。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は指定しない。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
明代とは何か 岡本隆司 名古屋大学出版会 978-4-8158-1086-3
朝貢・海禁・互市 岩井茂樹 名古屋大学出版会 978-4-8158-0984-3

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/