授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
13407:[2025 春セメスター]IR18‐HJ301 専門演習(65) 2025 春セメスター 月5 国際関係学部 松坂 裕晃 2

キャンパス

衣笠

授業施設

恒心館KS303号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

【+R授業について】
この科目は授業に関連する活動時間を含めると+R授業に相当する授業時間数を確保できるため、+R授業を実施しない。

本ゼミでは、主に北アメリカやアジア太平洋地域を対象として、過去や現在における帝国、植民地主義や人種・エスニシティに関連する様々な現象を考察します。具体的には、レイシズム、反レイシズム、人種・エスニシティの概念や表象文化、マイノリティの解放や権利、帝国論、ポストコロニアリズム、植民地主義史、反植民主義運動、セトラーコロニアリズム、グローバル資本主義などに関わる諸課題を想定しています。また、それらの現象や主題にはジェンダーやセクシュアリティの問題も深く関わっていますので、これも積極的に検討していきます(後述の「交差性」を参照)。
 三つの視点を意識していきます。第一に、「グローカル」、つまり「グローバル」と「ローカル」の視座を組み合わせるということです。帝国や植民地主義、人種・エスニシティをめぐる問題は、社会現象の「グローバル」な動態と、「ローカル」な個別・具体的文脈という力学が重層的に働き、構成されます。したがって、どのような事例を扱うにせよ、ミクロ、そしてマクロに見ていく姿勢が必要です。
 第二に、学問を通じて、既存の社会構造や政治、権力や権威に対する批判的な視点を磨きます。立命館大学が第二次世界大戦の反省を生かして打ち出してきた教学理念は「平和と民主主義」ですが、戦争や差別、環境危機といった問題が世界で噴出しているいま、この理念はきわめて重要になっているといえます。これを念頭に本ゼミでは、公正、人権保障、格差是正といった社会正義のあり方を(それが何かという問いも含めて)意識しながら学んでいきます。社会問題の「本質」を見出していく批判的な視角を養うために、歴史的・理論的考察も重視します。このような批判的な視座は、混迷を深めている現代社会において、卒業後どのような道に進むにせよきっと役に立つことでしょう。
 第三に、交差性(インターセクショナリティ)の視点を重視します。社会構造やそれと関連する社会問題はきわめて複雑です。例えばある課題について「エスニシティ」の観点からのみ見ていると、「ジェンダー」や「社会階層」への考察が抜け落ちる、といったことが起こりえます。もちろん、タームペーパーや卒業論文で書けることは限られていますから、対象や視点、アプローチを限定する必要はあります。ただし基本的には、権力関係や社会構造は様々な力学の交錯によって構成され変容することを理解したうえで、課題に対して多角的・複合的に向き合う視点を磨きます。

受講生の到達目標

本ゼミでは、大学卒業後、どのような道に進むことになっても必要とされる以下の「力」に関する目標を設定します。
・日本語・英語の史資料の収集・分析能力や、学術的・理論的な文献の読解力の獲得
・「問題」「課題」を発見する批判的思考力や、それに関する分析・解釈・批評を明瞭に表現できる文章力の獲得
・論理的に話し、かつ相手の話を注意深く聞き、建設的に応答することによって、知の共有や深化を互いに進めることのできる対話力の育成
・社会の趨勢や既存の言説に捉われず、学問を通して理想的な社会のあり方を志向したり、より良い社会のあり方を意識したりすることのできる構想力の鍛錬

事前に履修しておくことが望まれる科目

必須ではありませんが、「多文化社会論」や「北アメリカ研究」、また歴史学やカルチュラルスタディーズ、ジェンダー論、社会学、コリア研究、日本研究などに関連した科目の受講経験があれば、研究の助けになるでしょう。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1-14

ゼミの運営方法

基本的に、3・4回生合同で行われます。3回生の春学期は、輪読を中心に進めます。扱う文献は、受講者の関心に合わせて決定します。また、各自の卒論に向けた研究テーマも徐々に絞っていきます。教員に加えて4回生からも適宜、研究に関するコメントや助言を受けます。3回生の秋学期は、研究発表の比重を増やし、卒論の計画を練ります。4回生になれば、3回生の輪読に参加しつつ、卒論に本格的に取り掛かります。研究発表も行います。
※ いわゆる「楽なゼミ」ではありません。予習・復習や、授業への積極参加を通じて、学問に真摯に取り組んでいただきます。
※ 輪読では英語文献を扱うことがありえますし、タームペーパーや卒論でも、英語文献の使用を歓迎します。ただし、英語力を必須とはしません。英語に自信がなくても、ゼミのテーマに強い関心をもつ学生であれば選考対象とします。
※ 担当者は研究において、英語・日本語に加えて朝鮮語の史資料にも取り組んできました。したがって、研究に朝鮮語を取り入れたい学生も指導することができます。
※ IR専攻で英語圏留学の基準を十分に満たす高い英語能力をもつ受講生については、希望があれば英語での卒論・タームペーパー作成を認めます(GS専攻の受講生は、英語でのライティングが学部としての要件です)。英語でのプレゼンも可能です。ただし日本語が基本言語のゼミですので、日本語の意思疎通能力が必須です。
※ 合宿は基本的にありませんが、今のところフィールドワーク(2024年度はウトロ平和祈念館)や、映画の鑑賞・分析(2024年度春は学生と相談の上、『ムーンライト』を扱いました)を取り入れています。
 

授業実施形態

 

授業外学習の指示

 英語はもちろん、別の外国語にもできるだけ取り組むと、研究やキャリア、人生がさらに豊かになるでしょう。また、タームペーパーや卒論の作成にあたっては、学内のライティング・チュートリアルやサポートを受けてください。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

タームペーパー:40%
ルーブリックを用い、内容面と形式面から評価を行います。

日常点評価:60%
出席も含めた、授業への貢献度から評価します。ゼミは受講生の積極的な参加が不可欠です。欠席や遅刻、課題提出の遅延などが度重なる場合はF評価になることもありえます。

成績評価方法(備考)

受講および研究に関するアドバイス

教員やゼミの仲間と積極的にコミュニケーションを取ってください。そうすれば、きっと実り多きゼミ生活になるでしょう。また、学術書や人文学・社会科学の古典をたくさん読むのはもちろん、映画や文学、音楽(特に、大衆的なもの、流行りもの、国内のものだけではなく、過去の作品や、海外の作品、前衛的な作品など)にもできる限り取り組み、社会について考えるヒントを得たり、批評する着想を得たり、物事を見る視野を広げたりすると良いでしょう。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
「ヘイト」に抗するアメリカ史 兼子歩・貴堂嘉之編著 彩流社 9784779128264
Asia as Method: Toward Deimperialization Kuan-Hsing Chen Duke University Press 9780822346760
ポストコロニアリズム 本橋哲也 岩波書店 9784004309284
多様性との対話 岩渕功一編著 青弓社 9784787234834
インターセクショナリティ 土屋和代・井坂理穂編 東京大学出版会 9784130131605

教科書(使用頻度、その他補足)

教科書は特に指定しません。授業で扱うテクストについては受講生と相談の上で決定します。

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

・アメリカ史のオンライン教科書・史料集 The American Yawp https://www.americanyawp.com/

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話,その他(教員より別途指示)

備考

過去の卒業研究(卒業論文)テーマ一例
 皆さんがゼミの二期生ですので、過去の卒論はまだありません。一期生は今のところ、大きく分けて、1)人種に関する研究と、2)帝国や植民地主義の研究に取り組んでいます。前者は、アメリカの音楽・映画文化と人種(特にブラック・スタディーズ)や、美と人種の観念などをテーマにしています。カルチュラルスタディーズ的な研究が多いといえます。後者は、朝鮮の三一独立運動と日本の植民地支配、中国人強制連行、イギリスのインド植民地支配といった歴史に関する研究や、帝国についての理論研究などに取り組んでいます。いずれにしても、ゼミのテーマに関連する範囲で、自らの問題関心に沿って研究していただきます。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/