授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
15124:IR18‐DJ207 日本外交論(R) § 15125:IR-EAR208 日本外交論(R) 2023 春セメスター 火4 国際関係学部 山本 忠通 2

キャンパス

衣笠

授業施設

敬学館KG009号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

40年の日本の外交現場での経験(政策決定及び交渉)、及び国連事務総長特別代表(国連事務次長)としてほぼ6年間(1年半は副代表)アフガニスタンで国連の活動を率いた経験に基づき、日本外交の歴史、課題を見据えた上で、今後の展望を考える。特に外交はどのような目的と狙いを以て行われるものかについて考えるとともに、現在の世界で起きている情勢と日本の外交課題について実際的観点から、理論的裏付けをも検討しつつ、生きた外交の実体を学ぶ。
講義が中心だが、学生に外交は何の目的をもって行われるか、また、どのようにすることが効果的か考えて欲しく、活発な授業を目指す。

受講生の到達目標

日本外交の実態について正確に理解できるようになる。具体的には、
①外交はどのような目的を以て、どのような考慮を払いながら実施されるのかについて、より深い理解を得る。
②日本外交の歴史を理解することで、日本の国としての歩みの一端を考える。
③今日の主要外交課題が何であるかを理解する。
④これら課題について自らの考えを養えるようになる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

導入(イントロダクション):外交とは

古代ギリシャに遡り、外交の歴史的変遷を概観する。君主の為の外交、ネーション・ステートの誕生、教育を受けた市民と情報伝達の行き届いた世界での外交へと変遷する様を概観。

2-3

日本外交:歴史と変遷、課題

ペリー来航からの日本外交の歩み。大きな歴史の流れの中で、外交が日本社会において果たした役割と限界を時代毎に検討する。更に、現代社会で日本外交が直面する課題を概観する。日本外交が、基本は国民の利害の為に実施されるものではあるが、単なる自国の利害を超えて、世界の主要国としての責任をも有していることを説明する。

4

日米関係:激動する世界情勢の中での日本外交の基盤としての関係と課題

日米を結ぶ二つの大きな基盤、即ち日米安保条約を基礎とした日米同盟と自由民主主義の現在の両国関係での意義を理解する。また、歴史的に、日米関係の進展を振り返り、経済関係で困難な時期があったことなど両国関係の重層的かつ複雑な側面をも理解する。今後、両国関係を更に深化させていくことの重要性につき説明するとともに、日本としての適切な対応はどうあるべきかを考える。

5

日中関係(歴史、現在、将来への展望)と米中対立

日本にとっての日中関係の重要性。米国との同盟関係との違いは何か。
米中対立が激化する様相を呈する中で、その国際社会全体にとって意味するところ(自由民主主義体京神啓蒙された専制政治等)を考える。台湾問題についても検討し、尖閣列島問題につても触れる。

6

日韓関係:歴史問題を中心に

日韓関係の歴史、特にその中での朝鮮半島の日本にとっての重要性を概観した上で、韓国の日本にとっての現代的重要性を考える。その上で歴史問題(慰安婦問題、徴用工問題等)によって困難を抱える両国国民の和解の可能性と方途を探る。

7

北朝鮮:北朝鮮問題はどうとらえるべきか

北朝鮮問題は、そもそも何故起きているのか。
北朝鮮は日本にとって脅威か。中国、韓国、米国にとっての北朝鮮問題とは何か。
日本はどのように対応することが考えられるか。拉致問題についても検討する。

8

ウクライナ情勢からみる日露関係-安全保障の視点-

ゲストスピーカー登壇予定:倉井 高志 氏(元ウクライナ大使、在ロシア大使館特命全権公使)

ロシアの動きや日露関係を見るときに安全保障の視点が不可欠であり、ウクライナ情勢はそれを如実に表している。日本がロシアとの関係を考えるうえで、特に参考にする必要がある。

9

東南アジア、インド太平洋と中央アジア:日本はこの地域で指導的役割を果たせるか

日本とは歴史的に繋がりのある大事な地域。将来の日本の経済的発展と安全保障の為にも極めて重要。
これら地域とのこれまでの関係を振り返り、中国の存在が大きくなっているこれら地域において、日本が築くべき関係と期待される役割について検討する。

10

国連と日本:多国間外交に貢献するために-平和活動

国連平和活動の歴史。期待される役割と現実。
国連の平和活動の成果と失敗、そして課題。国連改革、特に安保理改革と憲章改正の困難さ。
日本としてより一層活躍するにはどうすることが望ましいかを検討する。

11

人類共通の課題への対応と国連と日本

国連の社会経済面での役割の重要性。植民地主義の終焉と途上国開発に取っての国連の役割。人権と法の支配の重要性。
Our Common Agendaについて検討し、社会、経済。人権面での日本が国際的に貢献するための方途を検討する。

12

安全保障:軍事面に加え、経済、エネルギー、人間の安全保障

安全保障は、国が国民に与える最も基本的な仕事である。
伝統的な軍事面での安全保障に於いてはロシアのウクライナへの軍事侵攻や中国の軍事力増大の現実を前に新たな見直しが行われている。相互依存が進んだ国際社会では、経済安全保障とエネルギー安全保障は死活的な重要性を有する。また、人間の安全保障は、人類の将来を豊かにするために重要である。日本外交がこれら安全保障確保のために果たす役割を検討する。

13

経済外交 (対外経済協力を含む)

富の確保と経済発展は、国民を豊かにする基本。各国の利害の衝突の場でもある。
世界貿易機構(WTO)や各種自由貿易取り決め(FTA)、二国間経済関係など経済外交につき概観する。
日本が経済大国の一つとして果たす主要な役割について検討する。
また、途上国への経済協力は、戦後外交の重要な柱の一つであった。その考え方の変遷をも概括し、今後の展望を考える。

14

文化外交、パブリック・ディプロマシー

現代の社会では、国民が主体である。外交も例外ではない。関係国(相手国)の国民の心に訴え、また、政策に理解を得ることは、外交の成功の重要なステップである。また、日本文化は、世界的にも愛され、敬意と関心の目で見られている。日本文化への理解と共感を通じ、関係改善と友好関係を作り上げていくことは重要な外交である。この分野での外交を概観する。

15

纏め:21世紀の日本外交と外交官の仕事

実際の外交官の仕事と外交政策の立案について説明し(首脳外交や皇室外交の重要性を含む)、また、これからの日本外交の進むべき方向について考察する。

授業実施形態

BCP停止の場合は、BCPレベル0~2の記載どおりに授業が行われます。
During the suspension period of BCP, classes will be as described in BCP levels 0-2.

各回の授業実施形態については、本科目のmanaba+Rコースニュース等で案内します。また、第1回目の授業実施形態については、第1回目授業開始までに上記コースニュース等でお知らせします(※)。なお、授業配慮等の取り扱いについては、manaba+R「国際関係学部生のページ」および「学び支援サイト」で確認してください。
国際関係学部生のページ:https://ct.ritsumei.ac.jp/ct/course_1728150
学び⽀援サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/pathways-future/
(※) 第1回目授業の授業実施形態を確認するためにはmanaba+Rの早期利用申請を行う必要があります。早期利用申請の詳細は、2023年度履修・登録の手引きを御確認ください。なおmanaba+Rで早期利用申請をおこなっても受講登録にはなりません。受講登録期間中に改めて登録を行う必要があります。

授業外学習の指示

常日頃、国際問題と日本の外交について関心を以てフォローすること。その際、日本の在り方につても考えてみること。
現在の国際社会は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に伴い既存の安全保障秩序が脅かされており、また、中国の台頭が、世界秩序に大きな影響を与えつつある。加えて、気候変動などの地球規模の課題が人類の将来に影響を与えるとの現実もある。このようなことについての問題意識を持ち、将来の日本と世界はどうあるべきか、また日本は何をなすべきかについて意識を持って考えるように努めることが望まれる。」

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記)

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

授業に出席し、内容を理解することが重要。 50%

定期的に(3回に一回)簡単なレポートを授業中に書いてもらう。
各10%で、全体で50%。(病欠などの場合は、後刻提出を認める。)
理解の度合いと自らの判断で物事を考えようとしているかを評価する。

成績評価方法(備考)

授業を重視する。講義内容をしっかり理解した上で、自らの力で考える力を養うことが肝要。定期的に書いてもらう授業中のレポートでは、単に聞いたことを繰り返すのではなく、問題の捉え方とそれをどう考えようとしているかを評価する。

受講および研究に関するアドバイス

国には歴史があり、外交には目的がある。このことを踏まえ、明確な視座を以て現在の問題や課題について考えるようにするよう心がけること。自分の判断の基盤が何かを意識することが大事である。

教科書

教科書(使用頻度、その他補足)

特になし。

参考書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
戦後日本外交史 五百旗頭真 有斐閣 978-4-641-22018-8
新日本の外交 入江昭 中央公論社 4-12-101000-0
日本存亡の時 高坂正尭 講談社 4-06-205497-3
国際紛争 理論と歴史 ジョセフ・S・ナイ・ジュニア 978-4-641-17355-2
外交 H・ニコルソン 東京大学出版会
アフガニスタンの教訓 挑戦される国際秩序 山本忠通、内藤正典 集英社 978-4-08--721224
外交青書 外務省

参考書(使用頻度、その他補足)

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

学生との直接対話

備考

【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:https://secure.ritsumei.ac.jp/students/pathways-future/course/curriculum.html/