授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科 全担当教員 単位数
35033:実践経済演習Ⅲ(03) 2024 秋セメスター 水2 経済学部 河音 琢郎 2

キャンパス

BKC

授業施設

アドセミナリオ202号教室

授業で利用する言語

日本語

授業の概要と方法

(授業の概要)
 私たちが暮らしている日本の経済社会は、世界的に特殊だと言われている。「和を以て貴しとなす」に代表される他者への配慮が美徳とされ世界から賞される一方で、それは社会集団への同調圧力の根源をなし、イジメや集団主義の温床となって、今日の日本社会の「息苦しさ」の原因にもなっている。
 これとは対極にある経済社会がアメリカである。徹底した個人の自由が重んじられる一方で、そうしたアメリカ社会は超絶な格差を容認する社会であり、自己主張が強く多様であるがゆえに人々の分断が激しい社会である。
 このような対照的な日米の経済社会の実態をよりリアルに様々な局面から捉え理解することにより、私たちが暮らしている日本の経済社会をより俯瞰的な視野で捉え直す。その上で、今日の日本社会、さらには日本を超えたグローバル社会で私たちはどのように生きていくべきかを受講生とともに考えることが、本演習の意図するところである。

(授業の運営方法)
 演習では、毎回の授業で、各受講生が指定文献を事前に読んでくることを前提に、各授業での文献報告担当者からの報告を受けて、受講生によるディスカッションを行う。
 中間段階で、日本の経済社会の特徴を考えるチームと、アメリカの経済社会の特徴を考えるチームに分かれ、最後2回の授業において、それぞれのチームによるプレゼン報告とそれに対する討論を行う。
 以上の授業での検討と最終プレゼンを基に、各受講生が「日米の社会経済比較」を大テーマとした、2000字程度のレポートを作成する。

受講生の到達目標

(1)今日の日本の経済社会を、アメリカの経済社会との比較を通じて、より客観的に理解する。
(2)日米の社会構造の比較を通じて、自らの歩むべき進路について考えを深める。
(3)日米の経済社会の比較検討を通じて得た知見に基づいた自らの見解を他者に理解可能な形で表現できる。

事前に履修しておくことが望まれる科目

特に指定しないが、基礎演習、実践経済演習Ⅰ、実践経済演習Ⅱで、専門的なスキルの基礎を身に付けておくことが望ましい。

授業スケジュール

授業回数/
担当教員(複数担当の場合)
テーマ
キーワード・文献・補足事項等
1

イントロダクションとフリーディスカッション

講義の進め方と運営体制についての説明と議論。
それぞれの受講生の日本観、アメリカ観の提示とフリーディスカッション。

2

日米の部活動比較

事前に読んでくる文献:
冷泉彰彦(2017)「アメリカの部活動は、なぜ『ブラック化』しないのか」『Newsweek日本版』、7月18日(https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/07/post-928.php#goog_rewarded)。
冷泉彰彦(2022)「1つの組織に専属しない、アメリカの部活動から日本が最も学ぶべきこと」『Newsweek日本版』、6月8日(https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2022/06/post-1274_1.php)。

3

飲酒を通じたコミュニケーションの日米比較

事前に読んでくる文献:
Kawane, Takuro (2016) “A Good Manner of Drinking,” Charlottesville Adult Learning Center, Multi-Cultural Brief, Vo. 18, Issue 3, June, pp.11-12
https://ritsumei365-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/kawane31_fc_ritsumei_ac_jp/EQV67KEfDPJFn36wKzXOaWQBBRJeE07LoyPT109ituQrOA?e=jhHcPL

4

日本の大学生はなぜ勉強しないのか?

事前に読んでくる文献:
辻太一郎(2013)「勉強しない大学生が、量産されるメカニズム:悪いのは大学生ではなく『構造』だ」『東洋経済オンライン』4月5日(https://toyokeizai.net/articles/-/13540)。

5

日本独特の就職活動:新卒一括採用システム

事前に読んでくる文献:
MarkeTRUNK編集部(2021)「新卒一括採用とは?日本特有の制度ができたきっかけやメリット、デメリット」『MarkeTRUNK』10月8日
(https://www.profuture.co.jp/mk/recruit/column/28257)。

6

中間発表:日本の経済社会構造の何が問題か?また何が長所か?

受講生によるこれまでの講義を踏まえた見解発表。
その上で、日本の経済社会に重きを置いて考えていくチームと、アメリカの経済社会に重きを置いて考えていくチームとにチーム編成を行う。

7

文献検討①:土居健郎

事前に読んでくる文献:
土居健郎(2007)「付:『甘え』再考」土居(2007)所収、pp.287-305。

8

映画の論評:『Perfect Days』(2022年、Wim Wenders監督、ドイツ・日本)

映画『Perfect Days』を事前に観てくること。
事前に読んでくる文献:
河音琢郎(2023)「映画評論:『Perfect Days』」12月31日。
https://ritsumei365-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/kawane31_fc_ritsumei_ac_jp/EUMTFCjHDJBAl5DnRc900M8B_YqxCMaVCZXkY3AN4LU2JA?e=ptkpQs

9

文献検討②:丸山真男

事前に読んでくる文献:
丸山真男(1961)「『である』ことと『する』こと」丸山(1961)所収、pp.169-199。

10

長期低迷の日本経済と男女格差

事前に読んでくる文献:
小熊英二(2024)「インタビュー: 低賃金労働ありき、脱却を」『朝日新聞』1月16日。
https://ritsumei365-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/kawane31_fc_ritsumei_ac_jp/EX3wBRhbuT5MjDb_teVWmgEBAcKDiJ_7I136Nt0UOGxJ8w?e=I2jOTU

11

貯蓄と投資の日米比較

事前に読んでくる文献:
坂田紘野(2023)「家計金融資産の日米比較――なぜ日本は現金・預金が多いのか」ニッセイ基礎研究所『コラム』12月21日(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=77050?site=nli)。

12

移民・難民と外国人の受け入れ

事前に読んでくる文献:
木内登英(2023)「『外国人1割社会』で日本経済は再生できるか?」野村総合研究所『ナレッジ・インサイト』6月26日
(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/0626)。

Leonard Schoppa (2015) “Refugees Can Help Create a More Vibrant Community,” The Mainichi, Dec. 2.
https://ritsumei365-my.sharepoint.com/:b:/r/personal/kawane31_fc_ritsumei_ac_jp/Documents/2024%E7%A7%8B%E5%AD%A6%E6%9C%9F%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%BC%94%E7%BF%923/Schoppa-The%20Mainichi-20151202.pdf?csf=1&web=1&e=GYrmgJ

13

日米経済社会の特徴と課題に関する検討

各チームでのプレゼン発表の準備、討論。

14

日本の経済社会の特徴と課題

日本の経済社会チームの発表と討論

15

アメリカの経済社会の特徴と課題、全体のまとめ

アメリカの経済社会チームの発表と討論
全体のまとめと最終レポートのポイント提示

授業実施形態

対面で授業を実施する。

授業外学習の指示

 本授業では、基本的に毎回の授業に際して事前に読んでくるべき文献が指定されている。
 いずれもそれほど長いものではないが、事前に読んできて、質問や自らの見解を用意して授業に臨むこと。

成績評価方法

種別 割合(%) 評価基準等
定期試験(筆記) 0

レポート試験
(統一締切日を締切とするレポート)
0

上記以外の試験・レポート、平常点評価
(日常的な授業における取組状況の評価)
100

日常の授業への出席態度と討論への参加:50%
第14回、第15回のプレゼン発表と討論への貢献度:20%
最終レポート:30%

成績評価方法(備考)

15回の授業で3分の2以上の出席がある受講生を成績評価の対象とする。

受講および研究に関するアドバイス

 毎回の授業で事前に指定された文献等を読んでくることが前提となる。
 いずれの文献もそれほど多い量ではなく、第7回、第9回を除けば、比較的容易に読める文献をセレクトしている。
 あまり気構えしすぎずに、これまで日本社会で暮らしてきて感じている「息苦しさ」の根源や、これから日本社会、さらには世界で生きていく上で考えるための素材を提供できればと考えている。
 自由なディスカッションという形には日本の学生はなかなか慣れていないが、受講生の意欲と成長により次第にディスカッションを中心とした授業運営ができるようになればと考えている。

教科書

書名 著者 出版社 ISBNコード 備考
甘えの構造:増補普及版 土居健郎 弘文堂 9784335651298
日本の思想 丸山真男 岩波新書 9784004120391

教科書(使用頻度、その他補足)

授業スケジュールで指定した回に使用する。その他の事前に読んでおく文献は、各自リンクからダウンロードして読んでおくこと。

参考書

参考書(使用頻度、その他補足)

各授業スケジュールにて事前に読んでおくべき文献が基本参考文献となる。それ以外の参考文献については、毎回の授業にて適宜指示する。

参考になるwwwページ

授業内外における学生・教員間のコミュニケーションの方法

コミュニケーションペーパー,manaba+R,学生との直接対話

備考

 授業は、指定文献を事前に読んで、各受講生が質問や議論したい内容を考えてきた上で、指定文献の報告とディスカッションが中心となる。
 受講生の報告とディスカッションへの積極的な参加が軸となる。
 担当教員は、当然授業への責任は負うものの、結果的に受講生主体の運営形態となり、担当教員がコーディネーター、ファシリテーター役となっていく形が望ましいと考えている。
【科目ナンバリング・カリキュラムマップはこちらから/Click here to see the Curriculum-Map and Course-Numbering】
URL:http://www.ritsumei.ac.jp//students/pathways-future/course/curriculum.html